ホップ、見参!@タップルーム(ビール、中目黒・東京)

これが、ホップ。生ホップと言われる(適度に乾燥させた)ものだそうです。これを手で揉みくだくと、柄のついていた方にある、ルプリンという黄色っぽい粒々がつぶれて、掌にエッセンシャルオイル(多分)を含んだ液体がつきます。これを嗅いでみると…あぁ、なんだかミントに通じる蒼い清涼感が鼻腔いっぱいに広がります。濃いのに、むせたり、辛く感じるようなことがないのが不思議なぐらい。あぁ、これがホップの香りなんですねぇ。どこかで紙の匂いにも似ているような。でも、飲み会でお目にかかるビールにこういう香りは感じないですねぇ。ホップが効いてる=苦味が強い、ぐらいにしかイメージしてなかったですしね。


炭酸でシュワーッと爽快…というのがとっても苦手なワタシ。おまけに一度入れたものは出したくない性分か、腹が張ってしまい、あまり食べられなくなっちゃう。そんなわけで、飲み会でも一杯目から「あ、すみません、焼酎お湯割で」とか。ところがワタシ、もう一度食べたい飲みたい、と興味を持ったもの。どうやって作られたのか?とか、どんなものからできてるのか?とか、どんな人が作ってて、何が違って「もう一度…」って思うんだろう?と考えちゃう。ここ何年かは、お茶(日本茶中国茶)について、そんなところをぐるぐる回ってます。ワン。そこへ、昨年突如割り込んできたのが、ビールでした。
このブログにも書きましたが、きっかけは横浜・関内のクラフトビアbarに、友人に連れていってもらったことでした。その後、中目黒のタップルームや、両国のポパイ、横浜のチアーズなどへ足を伸ばし、冷蔵庫には各地のビールが何本か入っているところまでやってきてしまいました。そういうところで飲んだビールには、うん、確かに通じるものがあります。


改めて考えてみると、ビールって不思議な飲み物だと思いません?主原料となる穀物や果実に、途中で別のもの(ホップ)で香りや味を加えてるんですよ。スコッチやワインを熟成の過程で樽を効果的に使う…というのともまた違うし。宣伝でも盛んに唄われる存在で、それでいて実はみたことも無ければ、その種類や量の多少でどんなふうに味わいが変わるのかも分からない、謎の存在が"ホップ"。


この日、タップルームには20人ぐらいの人が集まってました。いや、みんな若いな(苦笑)。カップルも何組か。醸造主のベアードさんが、8種類のホップの実物を手渡してくれながら、話をしてくれてました。

私のところで作るビールは、ホップの個性を表に出すビールです。苦味だけじゃなく、味わいや辛味など、"飲み続けたくなる元"になるものが、ホップの役割です。通常のラインナップは、複数のホップをブレンドして、それぞれの個性を活かしながらバランスを考え、一種類ではできない複雑さが楽しめるようにしています。でも今週※は、ブレンドせずにそれぞれのホップの個性が楽しめるビールが8種類あります。ぜひ、飲んで楽しみ、それぞれの個性を言葉にしてまた楽しんで下さい。

※11月7日からの一週間でした、遅くなってごめんなさい。


アメリカ産を中心に、ニュージーランドやドイツのホップが二種類ずつ参加者に配られ、潰して嗅ぎ比べ。その後で、その二種類を使ったビールが登場して、それぞれどのホップを使ったものかを推測してゆく…んですが、いや〜思った以上に難しい。大きな種類のホップと小さなものぐらいは何とか特徴がかぎ分けられても、似たようなものはホントに難しい。おまけに、香り以外に味わいは想像するしかありませんし。あっという間に4時間経っちゃいました(完全に時間オーバー)。


飲み物でも食べ物でもそうですが、元のものが分からないようにブレンドや配合していることで特徴を出すものと、逆にそれを残していることが特徴になるものがあります。学生の頃は、満腹になることや、みんなで酔えることに中心があったように思います。今は、それ以外の選択肢もあるのがわかってきましたし、それがみえるようになってきて、またそれが楽しい。ホップをあれこれ体験して、分かったこといろいろ。宣伝で「ホップが効いてる!」とか言われても、それは今日分かった香りのことじゃないだろうことも。あぁ、でも、さらに別の疑問もわいてきて。こうやって、また飲んじゃうんだよなぁ。。。。