かき参照下さい、じゃダメな牡蛎

simadoufu2006-11-28


日曜の夜、トヨタ自動車のグローバル企業への取り組みを特集していた。「日本人じゃない社員から、日本人じゃない社員に、いかに日本的な文化を継承していくか」というところがミソ。映像マニュアル、チェック項目、日本人の鑑査員の派遣…などなど。ふぅむ、さすがに凄いのだ。

ところで、牡蛎の季節です。子供の頃はそう好きでもなかった牡蛎を、待ち焦がれるようになったのも大人の印の一つなのだ(ということにして ^_^;)。この牡蛎、外食するようになった頃、ことごとくやられてました。ハズレの嵐。火がちゃんと通ってないかと思えば、ものすごくがっちりとした衣だったり、そりゃもう散々でしたね。

ところが最近はそうでもない。例えば先日入った釜飯も名物の銀座の焼鳥屋さん「与志万」。牡蛎釜飯には6〜7粒の牡蛎がプリっと入ってる。筍や椎茸、鮮やかなグリーンピースの入ったつややかな釜飯ともども、なかなかのもんでございました。聞けば、2月末頃までは例年やっているのだけれど、その後は牡蛎が大きな粒のものになってしまって数を少なくせざるを得なくなって、そうすると見栄えが…なんてやりくりが大変なそう。料理の加減だけじゃなく、そういう裁量というのも大事なもの。

記憶をたどれる「おぉっこれは!」という牡蛎にランチで出会ったのは、10年ぐらい前に蒲田の津衛門という蕎麦屋。大きなぷっくりした牡蛎が腰のある細いそばの上に鎮座。ちょっと衝撃でしたね。最近では、丸の内の「小花」の牡蛎そば、銀座・三州屋のカキフライと、”ランチで牡蛎”が楽しみなぐらい。(さとなお氏に感謝!)これらの店には共通点がある(と思う)。それはいわゆる(大手)チェーン店じゃないこと。(※三州屋というのはいろいろあるけれど同じじゃないらしい)つまり、人が流動的でアルバイトな店員さんが担当せざるを得ない店は、牡蛎が苦手というか自分の好みとは違うんだな、と。

実は最近、自分で牡蛎フライの衣を付けてみたら、見事にダメ出しをされてしまいました。細かくしっかりつけ過ぎてもだめらしい。こういう失敗を防ぐために、マニュアルはあるのだろうけど、マニュアルだけでは通じないこともある。トヨタの例でも、監査の人が最後にいってたっけ。「マニュアル通りでできることがものづくりの全てじゃない。例えば自分の時にはどうだったかを思い出し、相手の反応も見ながら、人から人へと伝えていくものが…」って。

牡蛎万歳なのだ(笑)。


与志万:中央区銀座3-3-6(電話03-3567-1767)
    11:30〜14:00/17:00〜22:30