ある距離感


マウント・クックのあるアルプスが縦に走る南島の、タスマン海に面した"ウエストランド"は道路も少なく大きな街も無い。Haastという街では、ガソリンスタンドに併設されたコンビニのような"ヨロズ屋"に、母娘が牛乳や食パンをいくつもまとめて買いに来ていた。ニュージーランドは、日本から北海道と四国を除いたぐらいの国土に、約380万人が暮らしている。つまりそれぐらいの広さの場所に、東京都から23区を除いた、いわゆる都下の人口(約400万人)が散らばっているってこと。日本で飼われているペットの犬猫(約600万頭だとか)よりも人が少ない国、ニュージーランド

そんなことが関係あるのか無いのか、いろんな生き物たちと遭遇できる(もちろん、保護をしているってこともあるしね)。

 

旭山動物園でもそうだけど、"飼われている"ように見えない動物はどうしてドキドキするんだろ?あまりにじっくりと眺めることができなかった巨大なロイヤル・アルバトロス(アホウドリ)でさえ、翼を羽ばたかせずにグライダーのように滑空しているその姿は気高くさえ思わず見惚れて立ち尽くすに十分だったものなぁ。

ある距離以上に近寄りあえないうことのない関係。その距離がどれくらいなのかを探り合いながら詰めていく時の、久しく忘れていた緊張感と好奇心の入り交じった空気が、なんともいえず心地よかった。それは、オーロラや日食を見呆けるような感覚に少し似てる気がした。