あんこう煮定食@高はし(築地)

自分の固定概念との戦いなのだ。ランチに2800円。普段社食で安くあげているといっても、いくら冬が旬だからといっても、絶対金額としてほいほいと出せるものじゃない。でも、いつもそこで躊躇していては世界が(大げさ!?)広がらない。いつものランチ以上に自分の味覚や印象などをぐるぐる働かせて、自分の選択がどうだったかを考えざるを得ないわけだ。

このお店のあんこうは北海道から来るのだそうだ。店の表にある手書きの張り紙によれば、「雪祭りや流氷の具合で入荷が不安定になるかもしれない」とある。小さな丼にたっぷりとはいって登場したそれは、身やアラやもちろん肝がたんまり。思わず脳裏に浮かんだのは、沖縄のあばさー(ハリセンボン)汁。これはウマソウだぞ。。。と経験がささやいた。見た目はあんこうのごった煮といえなくもないけれど、一口食べるとそんな言い方はできないな〜と思った。ごった煮は往々にして、全ての具材の味がでて混ざってしまったりけんかをしているように感じるのだけど、このあんこう煮は違うのだ。それぞれが味も食感もそれぞれ持っていて、自然に中心となるあん肝の香りがするみそ汁でまとめられている。思わず箸が進んじゃう。ぷりぷり、むっちり、しっかりさっぱり。いやいや、なかなかいいもんですぞ。

 

他にも大勢が並んでいるお店が築地にはあるので、全てのお店がそうなのかは分からないけれど、多分「高はし」は場外から来る”客”をターゲットにした味をつくっているわけじゃないのだと思う。築地市場で働く”常連さん”を基準にして、品ぞろえをしたり味を整えているのだと思う。だから、自分のような一般の客が「いってみたいな〜」とやってくる…んじゃないかなぁ。最近、場内も場外も回転寿司を含めて新しい寿司店が目立つようになったけれど、そんなお店はどうなんだろう?

とまぁ、美味いうえにあれこれ考えるきっかけをもらったランチ。満足満足。