春の野山@蕎麦匠たじま(広尾)


たいした回数じゃないけど、畑にいったことで野菜に対する感覚がずいぶん変わったんじゃないかと思う。採りたての野菜の香気や瑞々しさ、その野菜が育ったふかふかの土を踏みしめた足の裏の感触、汗をかいた後で水よりも西瓜、キュウリ、梨を欲した自分の身体。どれも普段感じていなかった感覚だったもの。

目の前の小鉢の山菜や野菜を食べながら、そんなことを思い出した。今日で3月も終わりという日、メニューにはいつものように目移りしそうな野菜たちが並んでました。

鰹節をふり油を使わず食べるアスパラのしゃきっとした歯ごたえ、山菜のぬたに入っている蕗の妙に後をひくうまい苦み(←なぜ、無性に日本酒が飲みたくなるんだろうねぇ…)、ねっとりとしたぜんまいとさっぱりとした薄切りの厚揚げの好対照。

 

焼いてほろり、揚げてほのかに甘い、筍。先が甘く根元が苦くなるたらの芽。

 

気がつくと、額上部の頭がじんわり、びりびりしてる。なんだこりゃ!?十分おいしく食べてるつもりなのに、身体が別の反応をしてる!岩茶を飲んだ時の感覚に似てます。「頭から芽がでてきそう」とは同行者。いやホントにそんな感じですなんです(笑)。

 

さて、この3千円のコースでは最後の蕎麦が、もりかかけが選べてお替わりもできます。最初かけでお替わりはもり、なんてのも大丈夫!何度いっても、これは嬉しいなぁ。あはは。
そばつゆはもっと辛くて濃いのが好みという人もいるとは思うけど、個人的には結構好き。だしが効いて味はしっかりしてるけどすっきりとしていて、野菜料理の後には自然な流れで合うと思うし。

結局、香り、歯触り、食べ心地、み〜んな違ってそれが楽しい。そんな違いを存分に味わいながら、身体も喜こぶ。そんなふうに食事ができたらいいだろうな〜って改めて思うんだけど、鈍っちゃってる自分の感覚じゃ、食べてみなくちゃわからなそうだ。。。店を出ると愛育病院の桜がすこし散り始めてました。

  • 蕎麦匠たじま 港区西麻布3-8-6 (電話:3445-6617)日曜休み