iPodのことを今さら考えてみると


日に日に暖かくなるボストン、最後の夜です。バークレー音楽学院があることもあるんでしょうか、道や地下鉄で楽器を弾いている光景も珍しくない気がしますし、恰幅のいい婦人警官がそんな若者に自分から寄っていってにこやかに話し込んでいたりするのを目にしたりもしました。


音楽といえば今や個人的には欠かせない、iPod(+iTunes)。2001年11月の初代発売時に思い切って買って見事に嵌まってから現在のモデルは4台目。いや〜10年以上使っている携帯電話がやっと3台目なことを考えると(←これはこれでひどいかな^_^;)ずいぶんと思い入れの違いが如実です。だって、欲しいケイタイないんだもん…なんて言ってもしょうがない。iPodはこの4月に累計販売台数が1億台を超えたというアナウンスがありましたよね〜ちょっと調べてみたら発売から約2年後の2004年1月にやっと2百万台を超えたんですね。ってことはああたっ!それから3年3ヶ月で二桁増えたっていうことです。miniやsuffleといったラインの拡大、それにiTunesでのダウンロード販売の米国外への拡大などがこの3年の間にはありましたが、はじめは結構動きが鈍かったっていう言い方もできるかも知れません。ちなみに、日本国内で携帯電話が1千万台を突破したのが1996年ごろ(らしい)、2006年には累計で9千万台を超えているそうです。そんなことからすると、ぼくの買い替えペースもそれに沿っているかな…!?


この携帯電話とiPodには共通する点と異なる点があるんじゃないかと思ってます。共通点としては、それ以前に別れていた"家の中と外"という環境を繋げちゃったということ。今や携帯電話しか所有してない人も珍しくなりましたし、家に帰ってからもスピーカーにiPodをセットして聞いてる人も周囲に増えました。一方違い、まぁ違いといっても同じ世界をどう捉えるかの違いのような気がするんですが、のほうはこんな点があるような気がしています。

  • 対象市場が国内か、全世界か
  • 生じた行動の変化が連続か、ジャンプか
  • 使うインフラが専用か、汎用(的)か
  • モノの価値が消耗品的か、嗜好品的か
  • 扱っているのがコミュニケーションか、コンテンツか

例えば、家の中でかけていた電話を外に持ち出した(メールもそう言えるかもしれませんね)ことと音楽の聞き方そのもののスタイルが変わってしまった、携帯電話用の設備投資をしたインフラかインターネットか、アクセサリーの広がりやにぎわい方の差、そして通話からメールへという携帯電話と使うようになって音楽購入が増えたiPod(←少なくとも自分やまわりにはそういう人の話をよく聞く)、とかとか。


結局のところ、既存市場というか使われ方をがっぽり取ったもののその中での最適化を目指し続けて自らが飲み込まれてしまったかのようにみえるのが携帯電話で、自らの生存場所を何とか生み出すことに成功したiPod(+iTunes)ということになるんだろうか、というのが今の自分なりの考え。。。この先は、ネット&PCの普及している国や地域での販売の伸びが緩やかになるあたりまでiPodはいっちゃったりして(^_^) でもでも、iPodがコンテンツのパーソナル化を促進するだろうことに対して、携帯電話はコミュニケーションのパーソナル化を進めていて、だから両者ともきっとまだまだ世界的にみたなら伸びていくんだろうなというのが、個人的にはとても面白いと思うのであります。


さて、寝坊しないようにして空港に行かねば!