機中の一冊「包まれるヒト」〜目の前の知らない世界へのガイド


出張話を引っ張ってスミマセン(^_^; 通勤時間を仕事に充てるようになって一番しわ寄せを受けるようになったのは、「読書時間」でした。飛行機に乗る時は、願ってもない読書タイムです。とはいっても読み切れるかどうかは、一に相性(?)、二に眠気との戦いにかかってます。今回機内持ち込みに持つに入れていったのは、佐々木正人編「包まれるヒト」。そして、これは実に面白い本でした。なぜかというと、すぐ目の前に広がっているのに知らない、気付いていない世界のガイドブックのような本だったから。


人は自分と自分の周囲のものをどうやって区別したり認識しているのだろう? それは哲学が問題にしてきたことであり、心理学が扱うことでもあり、医学や物理学も関わっている、シンプルだけど”ややこしい”問い。それは人間や人間がとらえた現象を対象にした学問の領域が、細分化してきたから、ややこしく思える。もちろん、細分化して深堀して分かったこともたくさんある。けれど細分化というのは、”範囲を決める”からできることだし、そうすることで分かりにくくなってしまうこともある。


まぁ、コトバにすると難しくなっちゃうのは自分の表現の限界なんだけど(^_^; 、例えば飛んでくるボールをみて速度や自分との距離を推測してうまくキャッチしたり、クルマを停止線にぴったり停めるために、ぼくら(の身体や意識)はいったいどんなことをしているのだろう?初めてみるのに、それが硬いのか柔らかいのかを推測できるのはなぜ?この本が扱ってるのは、そんなことだったりするんです。


それはまた、一見違うものだと思ってきた二つのことを俯瞰して統合するためのヒントを与えてくれるものにもなりそうなのだ。心と身体、意識することとと感じること、身体で感じるリアルさとバーチャルな世界、とか。二つにわけて分かっているようなつもりになっていたり、当たり前すぎて改めてみることをしていないこと。そんなふうに身の回りにず〜っと広がってる「世界」が、違ってみえる(かも)しれないよ!と、そんなことをこの本はいってるみたいに思うんです。(。。。あぁ、どうしてもっと簡単に表せないんだろ-_-; スミマセ〜ン)

包まれるヒト―“環境”の存在論 (シリーズ ヒトの科学 4)

包まれるヒト―“環境”の存在論 (シリーズ ヒトの科学 4)