ジオラマのような街で@センターグリル(野毛、横浜)


梅雨入り目前の昨日は、暑かったですねぇ。日差しは夏そのもの。そんな日の昼時、ここはまるで日曜日朝の六本木(←実はみたことないくせに)のような雰囲気でした。夕刻からの賑やかしい雰囲気はかけらもない昼の野毛。まるで模型のような風景の中でこの店には客が来るのが、不思議です。だって、道を人が歩いていないのだもの。


そんな中で昭和21年創業、”米国風洋食”を名乗っているこのお店には、12時半を過ぎても客が切れずにやって来る。一階にも席が少しだけあるんだけど「二階へどうぞ」という張り紙に導かれて上へ。。階段を上がって注文をして窓越しに眩しい外をぼ〜っと眺めながらていると、麦茶の入ったポット、しばらくしてから店の刻印煎りのナイフとフォークがやってきます。


何が洋食というものかよく分からないのだけど、こっちが勝手に「あぁ、昔ながらの洋食だなぁ。。。」と思ってしまうポイントがある(気がする)。例えば、グリーンピースのような”緑色”ものがあることとか。そうそうパセリもこの範疇ですね。この日注文した特製オムレツ(サラダ付き)にも、両方ばっちり入ってました。それから、今では少し太めに感じられるスパゲッティもポイントの一つでしょうかね。この日もナポリタンのような赤いパスタをメインにしたメニューを頼んでいる人が(たまたまかも知れませんけど)多かったですよ。さてそうこうするうちに、銀色のお皿(これにも刻印がはいってます!)にメインのオムレツ、サラダがぎっしりと載ってきました。なんだか昔食べたことがあるようなデジャビュがちらちらしましたけど、味付けは割合穏やかで”昔の洋食”の印象とは少し違ってます。食べていると、隣のテーブルの会話が聞こえてきました。


「それでさ、社長はなんて言ってんの?」
       :
       :
「それじゃ、あいつより、一コ下だな。。。」
       :
       :
「人事評価はサ〜そういうやり方じゃダメだよなぁ。それがわからないんだよなぁ」
「確かにもともとSEだからそういうことに慣れてないのは分かるけどさ」
「そういうことを言ってこなかった俺らにも責任あるけど、言っても聞かないじゃん」
 (オイオイいったいどっちなんだ!?)
       :
       :
       :
「おい、もう一本吸ってから帰ろうぜ〜」
       :


こういうお店、最近めっきり減りましたよねぇ。



食事が終わって下に降りたら、多分お店のうちの女の子なんでしょうね、一人座って絵を描いてました。階段を下りてきたぼくに目をやり、すかさず絵を隠しちゃいました。絵を見たわけでも無いんですが、なんとなく悪いことしちゃった気になって挨拶を交わすことも無く、眩しくも気だるい元の街へ戻ったのでした。

  • センターグリル 横浜市中区花咲町1−9(電話:045-241−7327)月曜休み