こういうつくり方をしたいなぁ〜@牛寿司(たくみ割烹店、鳥取県鳥取市)


いろんなところへでかける機会がここ数年増えて、とはいってもそのほとんどが日帰りなので慌ただしい。いった先で時間をつくりながらあれこれ店に入るのはもちろん楽しみですけど、そんな中で以外に「弁当」が面白いことにも気がつきました。福岡にいくと、お店が本当にいろいろあるので弁当までは手が回らないですけど、仙台とかはもう弁当が楽しみになっちゃいました。東京駅も、そう。でも、ここのところ続けていった鳥取は、仕事先が町からちょっと離れていて、おまけに飛行機の便が仕事向き(朝早くて夜も早い)なので昼間の時間に店を見て歩く時間は全く取れません(-_-;)。でも、鳥取空港売店が以外に渋いことが分かってきました。


砂丘で有名な鳥取ですけど、観光客がどっさり来るという訳じゃないのだと思います。町も手ごろなサイズです。そのためか、いわゆる「行ってきました」系のお土産菓子類はもちろんあるんですけど、そこそこの量。その一方で、地産地消的なものが意外に多いのですよ。昔からの店がちゃんと残っていてそれらが毎日少数ですが空港にも置かれている…そんなことなんだろうと思います。でもってそれが、ちょっといいんですね〜。例えば、定番の豆腐やあごの"ちくわ"とか、しゃっきしゃきの"らっきょう"とか。菓子類だと9時10分の東京行きの出発30分ぐらい前にやってくる、三日間しか日もちしない"ふろしきまんじゅう"なんて、値段も手ごろで、むっちりした黒糖味の皮とさっぱり目の餡がなかなかです。それから鳥取は"栃もち"も多いみたいで、空港にもあるんです。「あんこ屋さんがつくっていて、なかなかおいしいんですよ〜」と売店の方に勧められ、これの封を切ると「あぁこれが栃なのだろうなぁ…」というどこかで覚えのあるようなそれでいて思い出せない(←注:これは決して最近の記憶力減退とは関係ない、はずだと思いたい)、燻したような香りの餅が、お茶に合います。


いかんいかん、弁当の話に持っていくつもりなのに(^_^;)。各地で弁当をあれこれ楽しんでいると、あの決して大きいとは言えない大きさの器に、いろんな食材を組み合わせながら敷き詰めたり、層にしたり、和えたりして弁当にしていくというのは"箱庭"作りみたいなものなんじゃないかという気がしてきました。そんなわけで、弁当は日本人の性にあっているのかもしれません。で、「牛寿司」です。「寿司」ですよ!? 


  

まだいったことは無いんですが、鳥取には民藝美術館(東京・駒場以外にも日本各地に13館あってその一つ)があって、それに隣接して「たくみ割烹店」という食事処があります。ここはなんでもしゃぶしゃぶのオリジナルレシピ(すすぎ鍋)を受け継いでいるお店なんだそうです。そのお店が昨年つくったのがこの弁当。牛肉だけじゃなくて、米、生姜、西瓜のたまり漬けなど全て地元産。そして、おっ…と思うのが、薄切りにしたらっきょう!いや、アクセントにも口直しにもなかなか。こういう合わせ方ってあるんだなぁ。これは、幕の内的な豪華キャストタイプじゃなくて、おにぎりみたいな感じです。ご飯の状態は、季節によって変えているということで、この寒い時期のせいかほとんんど酢飯という印象がないくらい。それにしても、知っている素材を組み合わせながら、新しさをつくり出すってやりたくても簡単にはいきません。めりはりを持たせて組み合わせながら、破綻することない意外性も含ませて、発見まで導く。それを見た目、味、食感などいろんな要素で成すわけですから、並大抵じゃないだろうなぁ。まるで、いろんな人たちと会うことで刺激を受けたり気がついたりするような楽しみを、この小さな弁当はくれました。。。ごちそうさま。

 牛寿司(千円)は、空港の売店でも買えます。