アラカルトできる街@やまいち(とんかつ、神田・東京)


たまには神田・須田町界隈でランチっ!と目論んでからはや何ヶ月が経っただろう。やっとこさ、その機会が訪れた。足を向けたのは「勝漫」で豚カツを揚げていた方が独立されて始めたという「やまいち」。前からいってみたかった店なんですが、ここのところちょっと胃に来ていたこともあってドキドキ。歳かな(爆)。


開店直後に店に入った時には、さすがに他にほとんどお客はいませんでした。でも30分も過ぎるとほぼ満席。ウ〜ン、すごいなぁ。神田も神保町も近いこの辺り、お店の数でいったらいくらでも選択肢はあるはずだものなぁ。で、この日はカウンターに座り、ちょっと奢って特上ロースかつ2000円。おー! それ以外にも、牡蛎フライだの、カツ丼だのあるし、半メンチカツ300円なんていうメニューもあって、楽しいですねぇ(^_^)。


肉が冷蔵庫から出され、粉を付けられ卵をくぐってパン粉の上に置かれ上から粗めのパン粉をかけられて軽く押される。サクサクいう音が聞こえなかったから柔らかめのパン粉なのかな。こいつを纏って油の中に滑り込む。その後で別のお客さんが牡蛎フライを頼んだんですけど、そちらのほうが先に揚がってぼくが食べ始めた頃には食べ終わってました。さて油の中からは初めのうち、くぐもったような音が聞こえてました。それがある時から高いパチパチした音に変わって、さらに風呂場で滴の音を聞くようなはっきりしてるけれど軽くエコーのかかったような大きめの音に。何となく泡が大きくなっているような印象です。そんな音を聞いて楽しみながら出来上がりを待ってる焦げ茶のカウンターテーブルの上には、蕎麦猪口に入った蕎麦茶、白い箸袋、大根・人参・白菜の漬物。綺麗な彩りですねぇ。


いよいよかつが揚がって、まな板の上に置かれます。鰻の割き包丁を大きくしたような大きくしたような形の包丁がその上をシーソーのように動いて、切られたかつが皿に。「お待ちどうさまです」目の前に置かれたそれは、ちょっとしっかり目に焼いたトーストのような綺麗な色の衣を身に付けた、十円玉の直径ぐらいはありそうな厚みの立派なもの。蕎麦をつゆを付けずに口に運ぶみたいに、思わずそのまま一口。うぅむ。脂身も肉も派手な味わいはないけれど、バランスがいいというか大人というか。もちろん火が通りすぎた堅さを感じることも無く自然な噛み心地、ソースも塩も何もいらずに楽しめる肉。。。なんて表現したらいいか難しいんですけど、まるで美味しい御飯みたい…なんていうと変かな。とんかつをB級グルメの雄と思っていたけれど、ちょっとこれは違うものかもしれないという気がしてきます。テーブルの上には、ソース、おろしだれ、粗塩。交互に試してみたけれど、"ソースで辛し付けて"か"塩"が好みかな。ちょっと甘味のあるソースだと落ち着いた感じに、塩を付けると甘味が立ってくるのが面白い。



「ありがとうございました〜!」
既に何人かが並び始めている店をでて、二軒ほど右隣にある庄之助へ。ここに寄らずには帰れませんて(きっぱり)。小さなお店ですけどお気に入りの一店です。
「えぇと、胡麻大福と、最中二つずつ下さい」
数分歩けば竹むらもありますし、ケーキだって何軒か。天麩羅もあれば蕎麦も洋食も和食もある。この街は、いろんな組み合わせがその日その時で楽しめます。メインディッシュの選択肢がもう一店加わって、やっぱりこの辺りは、楽しいところですねぇ。