PROVOCATION@フィリップス・Probesプロジェクト


雪が綺麗な立春。久しぶりに積もってますね〜電車はどうなってるだろ。さて、フィリップスの未来デザインの展示会Probes。雪の昨日で終わってしまいましたが、週末に駆け込みで行ってきました(いつもギリギリだなぁ)。毎日17時からこのプロジェクトのメンバーがプレゼンをしてくれるというのが気になって。。。


フィリップスは商品のセグメントをHorizon1,2,3という3つのタイプで行っているのだそうです。現行商品を1,数年後のものを2、そして3はそのまま商品化を前提としていない未来のもの。今回のものはこの3に当たるという説明がありました。現在大きな流れにはなっていないけれど将来大きなトレンドになるかもしれない"弱いSignal"を見つけて表現することで意図するのは、議論の挑発(PROVOCATION)。初めて聞く言葉なので、うまくとらえられていないかもしれませんけれど、あぁそういう手法論もあるんだな、と。テクノロジーはON/OFFだけど、人間はあいまいなもの。この両者の止揚のための議論を誘発するっていうことなんだろうなぁ。


Skinと呼ばれるものは3点が展示されてました。感情を表現するドレスはビデオ、同じ目的のアクセサリーはモックアップ、エレクトリック・タトゥーは手をかざすと自分の手の上に万華鏡のようなパタンがほくろのような色合いでうごめき出します。ハビタ2020という建物は、天候をエネルギーや住環境の一部として活用できる建築素材で作られたビルを映像で。一瞬すごく非現実的な気がしますけど、これが現実になるかもしれないとしたら…なんて考えてみると自分が何で"非現実的"と感じたのかが浮かび上がってきそうです。例えば、感情を外観として表しちゃうっていうのはとても恥ずかしく思えるけれど、それは直接誰かと対面している時。時間的に増えてるそうじゃない機会には、そういうものが互いにわからない。それがいいかどうかは一面的じゃないですけどね。増してや自分や相手の素肌に模様がうごめいている。。。うぅむ、反射的には逃げたくなっちゃうけれど、自分の手を置いてしばらく眺めていると、実はこの皮膚の下に感情や体調によって変化しているモノがいろいろとあるんだよな。。。それが何らかの方法で分かるっていうことなら。。。なんて頭や気持ちが一歩先に動き出すのが分かります。プロトタイプってそういう力がありますね。


対立するものを意図的にまな板の上に載せてしまうことで、両者をバランスさせ次に進むべきことは何かを共に生み出そうとする方法論なのだと思います。2020年と時期を明確に設定したことで、現状の延長的な話しはしにくくなるから、例えば"人口増加と水の供給量の予測から中国では水不足になる"という状況を描いてその解決案を提案する。。。というやり方。確かにそのまま商品化には繋げにくいけれど、ある"予測的事実"を互いの前提として、その提案をまな板の上に載せて議論できるようになる。なるほど。


でも、そういうこと仕事では珍しいことじゃないよな。。。ただ、よくあるのは、対立をはっきりさせる前にそれを潰そうとするかのような言動だなぁ。例えば、提案内容じゃなくてやり方そのものをやり玉に挙げちゃう。そのやり方は不十分だとか、こういうことは検討したのか、とかね(^_^;)。粗削りかもしれないけれど提案しようとしていることそのものではなく、そこに至るまでがいかに欠陥だらけかを説いて対立的な構図を回避しようとことなのかもしれないなぁ。そうそう、そういう時って誰も笑ってないんですよね。評論家みたいに。何でそうなっちゃうんだろう?提案する時も、聞く時ももっとこの辺りを意識しようっと(^_^)