参りました。。。京都のお菓子


久しぶりに東京も、ちゃんと冬してるんですけど、先週末京都へ。うまくいえないんですが、身体の中のほうに効いてくるような寒さでした。そんな中、いろいろ歩くと表通りはもちろんですけど、細い路地や一見住宅街かなっと思うようなところを歩いても出会うのが、和菓子屋さんと豆腐やさん。沖縄と違って買い食い感覚で…というわけにはなかなかいかないですけど、いや、すごいです。街が生きてる感じが伝わってきます。あれやこれやと例によって買い込んだりつまんだりしながら楽しんだ中から二つご紹介。どちらも唸ってしまうぐらいの美味さでした。



- 黒みつ団子(美玉屋、京都)

いやぁ、驚いた!団子、黒みつ、黄な粉…み〜んな知ってるものなのに、この団子は未知のものです。下鴨神社を過ぎて、賑やかなエリアというよりはちょっと外れのほうにある、このお店。失礼ながらこの街にたくさんある構えどっしりしたタイプのお菓子屋さんじゃありません。でも土曜日の午前中から、子供を自転車に乗せてくるお母さん、自動車で乗りつける若い男性…ひっきりなしに訪れます。みんな買っていくのはこの団子。
むちっとした白い団子(←これだけでも美味い!)に、煮こごりのような食感でまとわりついてる葛でとじられた黒みつ。それらを全て覆い隠す黄な粉。食べ心地、味わい、色合いとどれもがいいコントラストです。10本入りパック(945円)だけしか用意されてませんけど、飽きの来ない穏やか味わい。それでいて後を引き、ぺろりといけちゃいます。うぅむ、以前からのものを継承してるだけじゃなくて、こういうものを新しいっていうんだろうなぁ。大したもんです。近くに類似品?を扱う店もありましたけど、そちらにはお客が見ている間には一人も入らず。こういうところ、京都って欧米的(?)な感じがします。すごく流行っている店の隣に店があっても、そちらにはさっぱり誰もはいらない。柳の下に…というのが通用しないみたいです。

    • 美玉屋:京都市左京区下鴨東本町18−1(電話:075-721-8740) 9:30〜火曜休み

- 椿餅・梅一枝(老松、上七軒

紅白梅がちらほら咲き始めてる北野天満宮でしたけど、臘梅は満開でした。正面ではなくて脇に見えるところに連なる短い通り。新しい店構えがきっぱりとした印象のお店。そうそう、通りに面した格子の入った窓がすこうし開けてあって冷気が流れ込んできます。美玉屋でも扉を閉めてでようとしたら、そのまま開けておいてといわれ(^_^;)その辺りからちょっと聞いてみました。

「そうですねぇ、昔からそうしているので当たり前になっていると思いますよ。家でも朝は空気を入れ替えるために窓を開け放ちますから(笑)」


あらら。以前ドイツでは冬でも窓を開けると在住経験者に聞いて「ホントかな〜」なんて考えたことが思い出されちゃう。この週末、東京よりも一段と冷え込みのきつかった。散歩してるといきなり雪が降ってくるし(上の写真^_^;)、冷気でなんだか頭が痛くなってくるぐらい。ですが、片泊まりの宿では洗面台の窓や玄関がバ〜ンと開け放たれてましたし、どうやらそういう習慣が(全ての家々ではないでしょうけれど)残っているんですね。大したものです。



それにしても、椿の葉一枚にしてもなんとまあ元気な。椿餅を絶妙に隠しながら粒々の餅と対照的な濃すぎない緑、つややかさ。餡にしても餅粒にしても、まさに王道の進化形。豆であることを残しつつ、滑らかな食感の漉餡。舌を心地よく刺激しながら溶けていくような道明寺。かたや、梅一枝。薯蕷饅頭に線上の焼き印を捺し、紅をポチッとさすとどうして梅に見えてしまうんだろう。どちらのお菓子も共通してるのは、押えた甘さのトーン。小豆や道明寺や皮の香りや味をひき出して楽しめるようにしてくれる、そんなスッキリとした甘味です。イタリアンやフレンチで、どのお皿でも塩味の利かせ具合が揃っていることを思い出す、そんな一本通ったものを感じます。
そうそう、お抹茶の色合いや香りも忘れちゃいけません。濃すぎず薄すぎず、香りだけで口が濯がれるようなお茶。初めての体験でした。見て、触って、舌に乗せて、香りで、実にいろんなところから楽しませてくれます。「花より団子」なんていいますけど、実際食べる方が見て味わうよりもいろんな感覚を同時に使う気がします。改めて、すごいなぁ。この他にも幾つか買い求めて帰ってきたんですが、ぼちぼちと楽しんでいこうかと。

継ぐものと創るもの。いつからか分からないぐらいの時の中で磨かれてきたものと、40年ぐらい前に考案されたもの。どちらもあるのがすごいなぁ。