no pain, no gain.


スーパーカー大好きの一見やんちゃな(…失礼)日本を代表するバレエダンサー、熊川哲也氏。昨年の右膝十字靭帯損傷という大怪我から、手術を経て3月に復活するまでのドキュメンタリーをTVでみました。いやぁ、TVだからストーリーも作ってあるし、編集され方で妙に強調されてるところもあったけど(…見にくかったし)、カメラに向かって自ら言ってたように以前よりも一回り大きくなったのではないだろうかと感じてしまった。


自分の主催するカンパニーが、ケガで観客動員が落ちても「うちのカンパニーはトップレベル」と断言し(実際、そうなのだろうなぁ)、団員にもファンにもアピールを続ける。ケガをして大変ですね〜と問われれば、「大丈夫ですよ」と言い切る。人前で弱気な発言をしないのだ。確かに、ここで「そりゃあ辛いです。。。」と言えば、その時自分の気持ちは少し楽になれるかもしれないけれど、それはその先何も生まないことを知っていて、敢えて自分を追い込んでいるように見える。以前から強気な発言を連発しているけど、番組からはトップダンサーというだけではなく、リーダーとして突っ張っている姿がうかがえる。代表の孤独は、誰とも真に分かち合うことはできないのだろうし、一人で向き合うしかないのだろう。一流の表現者が、自らバレエ団という組織を抜け、新たに団を作り、代表として大勢のメンバーを背負い、さらに新しい表現にチャレンジする。いろんな点で、毎年自ら進化を仕掛けているイチローに重なって見えてきてしまった。


「日本は、人気と実力が必ずしも一致しないところ…実力があっても人気がなかったり、その逆だったり」確かにそんな部分がありそう。だとしたらそれには僕ら観客側が負うべき部分も。ふと、ミシュランの赤い表紙を思い出す(苦笑)。何かを面白い、好きだと思ったら、その周辺にも目を広げてみるともっと楽しくなるんじゃないか。一冊の本から、その著者に興味を持って全部読むとか、その本の中に出てきた町に行ってみるとか。もし、やってみてそう思えなくても元のものがもっとよく見えてくるかもしれない。…最近ちょっと保守的だったかもなぁ。。。得るものしかないなんて、なんて素敵なことなんだ(^_^)。


no pain, no gain


番組の中で、何度か繰り返し流され、「座右の銘ですよ」というフレーズ。また言い切った。うぅ、なんだかしみる。。。(^_^;)