感覚変換@竹尾ペーパーショウ2008

家でも会社でも、途中でも、毎日紙に接しない日はない。が、正確にいえば接しているのは紙の上の何かであって紙という物質そのものとじゃないことがほとんど。ところがここでは全員が紙を取っ換え引っ換え手に取って持ち上げたり、撫でたり。いや、楽しい。先週、年に一回の竹尾ペーパーショウが丸ビルで開かれました。今年のテーマは、竹尾が扱うラインナップの中からコラボレーション相手のお店のイメージに合わせた共通の文具セットを作ること。文具セットは、鉛筆ケース・消しゴムケース・ルーペケースなど統一されて同じサイズの箱にはいってる。例えば、コンランショップならばこんなふうに(ちょっと分かりにくいですね…^_^;)。


紙といっても陶器のように見えるもの、金属に見えるもの、つるつるなものから桃のような手触りのもの、そりゃもう千差万別。でもベースは視覚なのかな。"○○のように見えるのに、実は紙"なんていうものが多い気がする。色に加えて、見た目の質感でイメージを喚起してたり。しっかり重そうに見えるのに手に取るとやっぱり軽かったり。それにしても、初めて見るものでも「硬そう」とか「柔らかそう」なんて想像ができるのは不思議だ。モノそのものではなくて、肌理などから判断しているらしいのだけれど。


「この紙は、厚さどれぐらい?」
「このサンプルは80kgですが、ラインナップは…」


いや、そうでした。紙は、基本的には薄いので厚みを重さで表現するんですよね。こちらの変換は慣れてないとちんぷんかんぷんだ。まるで目で見える色を、音で聞いてるみたいな。まぁでも、食べたものの味を言葉で表したりするのも、それに近いことかもしれない。慣れてしまうものではあるけれど、この基準のようなものの変換に、専門用語のような「壁」も異質なものからの「刺激」もたくさん含まれてるように思える。今年はそんなことを考えさせてくれたショウなのでありました。