昭和ドアー@まるます家総本店(居酒屋、赤羽・東京)


 駅前の表通りから一本はいった賑やかな商店街の角に陣取った、立ち飲みかと思うような雰囲気。看板には「鯉とうなぎ」をうたってます。見るからに、「三丁目の夕日」に出てきそうな店なのです。久し振りにいい天気の休日の昼時、既に店内は満席です。ひとりの客が多いのかと思いきや、さにあらず。そしてほとんどのお客がビール、サワーなどを飲んでるぞ〜。思わずもう一度時計を見てしまうけど、やっぱり12時過ぎ(笑)。扉を開けて、中に入って待つことにしました。




大きなコの字型のカウンターの中に、手に皿を持ったお姉さんが入ってきた。
「焼き立ての烏賊焼き、ありますよ〜。今ならすぐに食べられますよ〜!いかがですか?(とカウンターのお客に)  ○○さん(カウンターの向こうのテーブル席の常連とおぼしきお客に呼びかける)、いかが? え? うれし〜い!」

ヲイヲイ、まるで点心だ(笑)。待っている時から楽しめちゃう。

「お一人さん、こちらへどうぞ〜!」

座った席の目の前には、数十本の釘が打ち付けられていて、釘ごとに数字が書かれてる。なんだこれ?と思うまもなく新しい注文が入り、釘にカラフルなプラスチックの札が。なるほど!そういうものか。レシートもレジもない!? 響く声の合間にここの係をしているお姉さんに、聞いてみる。

「おぉ、これはスゴイ。。。ずっとこれでやってるんですね」
「そうよ、これは電気代もかからないし。単純だし。でもね、結構難しいのよ。。。」


次々と店の中に声が響く。
「三番さん、生ビール二つ!」
「ハイ、三番さん、生二つ」
「九番さん、寿(千円のうな重)一つ!」
「ハイ、九番さん、寿一つ。都合寿三つ〜!(後ろの厨房に聞こえるように」
と、その都度一枚ずつ席番号の釘に通されるプラスチック板が増えていく。


「えぇと、コイの洗いと寿をお願いします」
「ハイ、コイの洗いと、寿!」


程なくどちらも登場。肝吸いもついてる。あぁ、次はちょっとゆっくり来たいもんだなぁ。つまみ類はほとんどが300〜500円。刺し身でもメンチカツもわかりやすい(おまけに会計も楽)!素晴らしいコストパフォーマンスと品揃え(壁にぎっしりとメニューが貼ってある)。う〜む、赤羽やるもんだ。用事があるのでアルコールも飲まずに、15分ほどで済ませてささっと出てきたら、学校帰り(クラブかな?)とおぼしき中学生が三人、入り口の引き戸のところからジ〜ッと中を覗いてる。自分には懐しい雰囲気を持ってるこういう店を、若い彼らはどんなふうに見てるんだろ(笑)。

 ※赤羽岩淵駅に近い辺りに同じ店名の店を発見。この時は閉まってたけど、分店かな?