琳派経由乱歩行き〜試みの連鎖


勤め先の会社、今月は有給休暇推進月間とかいうやつなのだそうです。趣旨が分かるような分からないような(笑)。ということで、休みをとって終了間際の大琳派展なんとか滑り込みました。ところがこの日、どういうわけか気持ちが弱ってまして(苦笑)、入り口の大勢の人をみたらなんだか億劫になって入るの止めちゃったんです。結局三十分ぐらい上野公園をぶらぶらしていたら…やはり入ろうかと方針転換し(笑)、20分ほど並んで入場と相成りました。単なる優柔不断ですね、こりゃ。


ポスターにもなっている"風神雷神図"は四点並んでいて、この辺りがやはり一番の混雑ぶりですね。まぁでも、面白いですね〜直接の師弟関係でもない人たちが、こうして同じ題材を選び描くって。これらからは、好き嫌いを越えて惹きつけられてしまう絵画から感じる、ある種の"狂気"的なもの(例えば、本阿弥光悦作という楽茶碗・雨雲にはそういう何かを感じました)とは違うものを感じます。まだ整理できてないんですが、"素晴らしいモノが持っている何か"に近い気がします。



さて、夜は歌舞伎へ。歌舞伎を観るのはこの日でまだ三回目。場所は歌舞伎座ではなく、半蔵門国立劇場。「江戸宵闇妖鉤爪〜明智小五郎と人間豹」です。う〜ん、すごいですねぇ、歌舞伎ってクラシックばかりだと思ってましたけど、江戸川乱歩もありなんですね。しかも、こういう設定できますか!さすがに"小林少年"はでてきませんでしたけど(笑)、おどろおどろしい雰囲気はちゃんとありました。
最近落語をあれこれみるようになって思うようになったんですけど、伝統芸能って古典と呼ばれるものをそのまま写してやっていたら、護りの部分が増える危険があるんじゃないかって。今の時代も意識しながら何処をどう解釈し直すか、ということは落語でもバレエでも試みられていたのをみましたし、落語には新作ものもありましたねぇ。だから歌舞伎もこういう"試み"をしたり、観る側もそれを受け入れる懐を持つことが、結局時代を超えて継承され楽しみ続けられるものを生むことに繋がるんだろうなぁ…という気がしてます。。。ってこりゃ大琳派展のサブタイトル「継承と変奏」に影響されたか(笑)。


舞台美術などは大掛かりでかなり大変そうですけど、横広がりの歌舞伎ならではの構成に加えて、縦や奥行きをふんだんに用いられていて、楽しませてくれますねぇ。今回、席は花道の横(外側)でしたが、こういう位置の席が存在すること自体、歌舞伎ならではの面白ろさなんだと思いますし、とってもよかったんですが、もう一度みる機会があったらぜひ上の階の席から観てみたい!(笑)。ネタバレになっちゃうので内容は割愛しますけど。ということで、この乱歩歌舞伎、シリーズものにならないかな。。。あ、夕食は"へれかつ"を調達し、これも同行者になかなか評判でありましたよ。夜の公演は、こういう楽しみもありまする(笑)。