鹿ドキドキ博打@志の輔のにぎわい(にぎわい座、野毛・横浜)

今年最後の志の輔さんの独演会。あぁ、今年は思ったほどチケット取れなかったです。聞きたい人が自分の周りにも多いですから、しょうがないですねぇ。さて、この日の前座は志の八さん。おぉずいぶん落ち着いてみえます。こっちも安心して気持ちを任せられますよ。この先楽しみですねぇ。


続いて登場した志の輔さん。富山の話を交えた枕にの後は「ディアファミリー」。とんでもない宅急便で始まるこの噺、実は結構好きです。志の輔さんの新作落語ってとんでもない人物が作る噺と、状況設定がとんでもないことが巻き起こすものがある気がするんですが、これは後者。相手に気を遣うって、こういうことになりがちなのかもしれませんねぇ。それにしてもこういう昭和的状況設定自体が、あっという間に"昔のこと"になってしまうんですねぇ。個人的には、家族に対する旦那の言動は参考になる部分がありました(笑)。


さて仲入り後、登場したのは太神楽(だいかぐら)の鏡味仙志郎さん。う〜む、30代半ばでこういう芸能を継承している人もいるのだなぁ。。。なんて思っていたら、ありゃまぁ、傘の上でものを回したり、棒の上に渡した板に茶碗とか積み上げていくだけなのに(←この"だけ"が見ていて緊張するのです!)なんてドキドキするんだろ。ひやあぁ〜。ネタはない。トリックもない。ほぐれた筋肉がまた硬くなる(笑)。


そして、最後はとんでもない人物から始まる(笑)、文七元結。タイトルと、中身のメリハリがどうも一致しないのですが、以前志らくさんが言われていたように"落語のタイトルというのは元々はなかったもの"だそうですから致し方ない。今まで知らなかったんですが、この噺も圓朝作なんですねぇ。すごいお方です。何人ものある意味"とんでもない人"が絡みながら、ドラマを練り上げるわけですから。こういう噺が創作できるというのは、身の周りのことを俯瞰する独特の世界観というか人間観のようなものがあったんでしょうねぇ。それにしても、左官の親方夫婦のやりとりは、非現実的な内容なのに妙に現実臭い。所々で頬が引きつるぐらい笑い、その後じんわり…の繰り返し。志の輔さんと客席とがラリーをするような感覚で時間が過ぎていきました。。。終わってみるとなんと!22時十分前。でも十分ほぐれて温まり、いつもながら満足感高い会でした。年末恒例の三三七拍子で、チョン。あぁぁ終わっちゃった(笑)。また、来年。楽しみにしてまーす!