トンガッタ脇役三連発で大フィーバー@志らく百席(にぎわい座、野毛・横浜) 


先月から連続して聞いてる、志らくさん。23日の上野広小路亭では80席という濃密な空間で落語マニア向けの内容で(?)落語の知識がなく個人的には轟沈、28日の紀伊国屋ホールでは映画を観ない自分なのに初めて体験するシネマ落語の意外な面白さにグンっと持ち直し(笑)。さて今年はいかが相成りますか…とワクワクしながら、福田フライを経由してにぎわい座へ到着。


何となくいつもよりも柔らかな空気に感じられる、にぎわい座(自分が寄り道してきたからいい気持ちだった…という説も)。1月もまだやっと一週間が経ったばかりだからかしらん。なんと、今日はここでプロレスもやってるそうで、ちとびっくり。


さて、志らべさんに続いて、志らくさん登場。今日の枕では先日放送になったばかりの談春さんを特集した「情熱大陸」のことにも触れながら。かつて志らくさんがドキュメンタリーで取り上げられた時のことを紹介。いつもよりたっぷり目の枕で、なかなかいいですねぇ。志らくさんの魅力の一つは誰でも知ってることの"切り取り方"だと思うので、いつもこれぐらい喋ってくれるとうれしいなぁ。演目が決まっているから余計にそう思うのかも。と、天神さまの参道に並ぶ屋台の前で、こまっしゃくれたり甘えたりしながら結局ぐずる子供を、ちょっと品を作りながら(笑)熱演。


そして二席目の枕で、残りの二席の順番を入れ替えますよ、と切り出した。

古典の持ちネタ185席、シネマ落語70席の中でも「片棒」は一番ハチャメチャ!なので、この後にもう一席…は演る方も聞く方も、とても無理なのです

う〜む、そういう噺なのかと「片棒」にグンと高まる期待。と始まった、木乃伊取り。吉原に(自ら)捕虜になっている息子を奪回すべく、送り込んだ斥候が次々と捕らわれの身になってしまう。息子溺愛の女将さんに弱みも握られ手玉に取られる主人。そして三人目として登場した強烈キャラ・飯炊きの権助に見事に取り憑いた、志らくさん。歌まで唄って後半は権助オンステージ状態。。。


中入りを挟んで、三席目。あはは、二席目の登場人物がシンクロしてます。特徴的な人物はいろんな噺に登場するので、落語にはこういう面白さもあるんですねぇ。そういえば、年末の「ゴッドファーザー」にもいろんな噺の中の有名人が出るわ出るわ総出演してましたっけ(実は半分ぐらいしか分からなかったんですが…それでも面白かった)。
今回登場した三兄弟は、アキラにヒロシにカツヨシ(わはは。帰って調べたらやっぱり家元の本名だったんだ)…だったかな。それぞれ、ミュージカル&映画、歌謡、落語に造詣がやたらに深く、それを一人で演じ分ける(?)志らくさん。あちらの歌に、昭和歌謡のメドレーに、一体何曲歌ってくれたんだろう(笑)。いったい自分は何処に来てるんだっけ?状態です。なかなかに正月らしい演出で(笑)、大盤振る舞いの志らくさんでした。これが、もう、涙ぐみながら笑いすぎ!!事前に一杯引っかけてても、うとうとするヒマなんかまったくありゃしません(ほっ)。


初天神」の子供、「木乃伊取り」の権助、そして「片棒」の三兄弟。志らくさんは、"普通じゃない"キャラを演らせたらスゴイのです。やっとそういうことが言葉になってきたような気がします。それにしても、今日のインパクトはものすごかったです。お年玉をたくさんもらいました(笑)。それにしても志らくさん、お疲れさまでした!あぁ今年も楽しみだなぁ〜ありがとうございましたァ。