志らくのピン@内幸町ホール(2009年1月15日)


昨年9月に初めて聞いた時から、志らくさんの落語はリズムというかテンポというか、そういったことが自分に自然に合う気がして、楽しいんです。一回の独演会で他の噺家さんは大体二席ですが、志らくさんは三席聴かせてくれます。でも、いい感じなんです。ただ、正直にいいますと…どこかにしっくり来ないところがあるような気がしてました。それが何だろう何だろうと思いながら、続けていってました。ところが、昨年末のシネマ落語でだと思うんですが、消えちゃったのです。先々週の志らく百席@にぎわい座、そして先週の志らくのピン@内幸町でもその状態が続いていて、素直に嬉しいのであります。なんだか志らくさんの力の出し方、というか抜き方が進化したように思えます(生意気ですけど…)。一席目の枕も長くしてくれて、本人も楽しそうに見えるような。いい雰囲気だなぁって。ってまぁ、でも、恐らく自分自身が変わったんでしょうねぇ(笑)。


この日の三席は、「小町〜雑排」「禁酒番屋」「お直し」。自分にはどれも初めて聞くものです。大きな流れとしては、ハチャメチャからしっとりへ。一席目は細めの道を突っ走るようで、なかなか。禁酒番屋は話自体がなんというか、最後は子供が喜びそうな(笑)オチへ。で、途中が楽しかっただけに、それはちょっと辛いかなぁ。最後はちょいと劇画風な印象。でもしんみりした話をいかにも…という形は、志らくさんは目指さしていないと思います。聞いてるこちら側も、楽しむ気分でいないと通じ合えない部分が残るのかもしれません。


今年は志らくさんが入門して25年、真打ちになって15年なんだそうです。ちょっと親近感。でも、やりたいことへのノメリコミ方と進化の度合いで、ちと負けてる感。まぁ、比べることに全然意味ないんですが(苦笑)。

今回から「志らくの落語全部聴かせます」という企画になりました。…演ずる順番は、新しい発見があった噺からです。…すべてリニューアルとしての発表となります。

知ってる落語の方が圧倒的に少ないので、新しい発見というのがどういうものかは多分分からないんですが、それはベテランの方々にお任せして、自分なりの楽しみ方や落語の魅力の発見が少しでも増えたらいい年になるんではないかと。まぁそんなわけで、今年は志らくさんにできるだけ通ってみたいと、そんな気分が強まっているのであります。