雷雨中夜来的皆既日食観望@上海・余山(She Shan)


今日の東京の午後の空は、やけに眩しいです。まるで、日食前日の空みたい(涙)



一面、雲。日本を発ってから、ずっと飛行機の下は雲ばかり。上海到着直前に、遠くに見えた雲の城のような、積乱雲。異様な無気味ささえ、感じます。まさか、すでに…と日本でチェックしてきた天気予報が頭をよぎります。でも、初めて降りたった中国の空は、しっかり晴れてました。噂に聞く、薄もやがかかったような透明度のよくない空気が、上海の街を覆っていましたけれど。30kmだけのリニアモーターカーの線路脇を、ツアーバスで走りながら、太陽が沈んでいくのを眺めてました。




上海市内の霞んだ大気を避けて、郊外のホテルに滞在するのが、今回のツアー。ホテルから移動せずに日食に臨めるのが、とっても魅力。さて、本番前日の、日食開始同時刻に観測候補場所の下見。平屋の会議場の屋上みたいなところです。「これなら、なんとかなるだろう…」と多分誰もが疑っていませんでした。雲はあるけれど、これだけ晴れていれば、みることができる。この後さらに、晴天域は増していったのです。日焼けと、水の心配をしていました。これだけ晴れてくれれば、雲の影響もなくコロナもしっかりみえる。口には出さないけれど、何とはなしに、静かに広がっている、安堵と期待。


市内観光を終えた直後(夕刻)、雷雨襲来。しかし、降っているところは局所的で、割合短時間で止む。しかし後から思えばこの時、ついに寒気が上海にも到達してしまっていたのです。雨は止めど、雲間から太陽出ず、そのまま厚い雲に覆われてゆき、夜半は曇天に雷鳴が時折輝く有り様。嗚呼、胸騒ぎ。欧米の団体が到着し、海外に来た雰囲気がちょっと強くなったような。


明けて22日、薄く墨を流したような、快曇(←すでにヤケ)。それでも高ぶりは、そう簡単には萎えません。6時過ぎ、三脚だけを観測予定地に先に運び、場所を確保。もう何組もセッティングをしています。部屋に戻り、早めの朝食へ。ホテルですれ違う同じツアーの人たちも、いよいよこの日が来たという高揚感からか、すれ違いながら挨拶を交わします(前日とは違う雰囲気)。
しかし、空はこの有り様。かろうじて降っていない…という状態。地元の人とおぼしきグループが、何組もホテルの食堂に。ブッフェに並ぶメニューは、前日とは比べ物にならないぐらい多い。しかも、7時を過ぎると広い食堂が満席状態で行列も。


日食開始の30分ぐらい前(8時)、とぼとぼと残りの器材を運ぶ。お、重ーい。しばらくの間、この"日食セット"を使っていなかったので、量と重さの感覚を、忘れてました。なんとか一度で、残りの器材を運ぶことができましたが、うぅ辛い。そりゃそうだな、体力も落ちてるだろうし(認めたくはないものだな)。おぉ、少し雲間が、明るくなってきている。残り時間に期待を託すのでありました。。。


南北を示す、線の上に立てた三脚に、望遠鏡のセッティングを開始。すでに準備を終えている人も多いことに気付き、ちょいと焦るけど、"狙いは部分食じゃない。ダイヤモンドリングから皆既食なのだ"と言い聞かせて、準備を続ける。


部分食開始から十分後ぐらいに、雲を通して太陽が時折確認できるようになってきて、欠け始めを認めらるように。けれど、黙々と準備。と思いつつも、やはり気になって、日食グラスで太陽を観てしまう。が、メガネを外した近眼でははっきりわからない。メガネメガネ…と間も無く、太陽は再び雲に没入。うぅ。
準備をあらかた終えて、最終確認。あるはずの方向へ望遠鏡を向けても、なにも見えません。カツンっと音がして何かが落ちた。ありゃ〜皆既になったらすぐに外せるようにしていた、分厚いフィルター(D4)が落下。。。部分的に薄く剥離して欠けちゃった。ガーン。


ふと北を見るとやけに暗くなっている!何だかイヤ〜な感じが、背中を走る。小心者になって、傘を持ってきていることを、再確認。と思ったら、ポツリ。げっ。どんどん強くなってくる。


「…10,9,8,7…」皆既食開始までのカウントダウンは、観測場所の下の会議場で始まりました。肩から背中、足下はずぶ濡れ。あい変わらず大粒の激しい雨、時々雷。「…3,2,1!」大きな雷で、一瞬明るくなった空は、その直後闇に沈んでました。完全な夜状態。ホテルの灯だけがみえます。雨音とため息。軒先に一列になって外を眺める数十人の同好の士たち。屋上に置いてきた器材が気になるも、こりゃどうしようもないなぁ。



皆既食が終わると、明るさが急に増して、建物や木々がはっきりと見えるようになりました。結局7〜8人の方は、屋上で傘をさしながらこの時間を過ごしてました。突然、蝉が鳴き出し、皆既食終了を実感。あーほんとに終わっちゃった。来年は、イースター島でしたっけ?(爆)



。。。帰国前から、何となく身体が変でした。いえいえ、発熱とかそういうんじゃないんです。食欲が変。体調が悪くても落ちない、最後の砦なのです。それが、食べれば食べられるのに、弱い。身体も、今一つシャキッとしない。体調が悪いわけではないのに、どうも妙。で、家人曰く、"それは化学調味料のせい"。う〜そういうのってあるのかなぁ。でも、こういう感覚は、アメリカやヨーロッパでは、体験したことない。違いがあるとすれば、毎日食べてるものに原因があるというのも、あながち的外れじゃないのかも。
マヨネーズも、ドレッシングも混ぜたもの、出汁はとってるし、確かに家での食事は、いわゆる化学調味料を使った料理はほとんど無い状態になって、しばらく経ちます。身体がそういうことになれちゃってるせいかなぁ。だとすると、ちょっと恐いな。
金曜日、さすがに油ものだらけの会社の食堂ではランチする気になれず、隣り駅の手打ち蕎麦屋へ。帰りに激しい雨に降られて、傘さしてたものの、下はずぶ濡れ。またかよ〜(涙)。