お疲れさま、お帰りなさい!@志らくのピン(2009年8月20日、内幸町ホール・東京)


5日間、全9公演を終えて、中二日の独演会です。お疲れさまで〜す。まずは、そのことから。

あ〜やっと、ホームグラウンドに帰ってきた気がします。紀伊国屋ホールは、自分の落語を聴きに来てくれる人たちが、半分ぐらいはいると思ったんですよ。。。でも、違ってました。完全にアウェイ状態でした。

極度の近眼だけど、普段はコンタクトレンズも使わず、客席の反応が見えないのをいいことに(笑)、ポジティブに反応を解釈しているけれど、演劇らくごは「鉄拐」をやったすぐ後に舞台があるので、コンタクトを入れてあがったら唖然…と口切り。厳しいですね〜。けれど、こんなふうに語ってくれるのだから、なんたって座長です。そして早くも、来年はもう一度やる宣言!も。来年は、もっとすごいですよ、きっと。何たって「疝気の虫」の続編をやるそうですから(笑)。
続けて、寄席とは別世界が修業の場の立川流は、同じネタを何日もかけるということが無いという話。鉄拐をやる前は、続けてやるからどれだけ進化するかが自分でも楽しみだったのだけど、やってみたら辛くて大嫌いになっちゃったと告白。懺悔ならば、この場に市馬牧師がいて欲しかったなぁ(笑)。それにしても、一ヶ月間PARCO公演を続ける志の輔さんは、どうなんでしょうねぇ。何れにせよ、すごいことに変わりはないんですが。


間に、家元のクスリの話を挟んでから、この日の噺は「猫久」「転失気」、仲入りを挟んで「文七元結」。演目を聞いた時に、今なぜ文七元結なんだろう?がらりと変えた何かを、新しく試すのかな…なんて思いましたけど、枕を聴いてると、鉄拐の反動ですね、きっと(笑)。

基本的な滑稽噺と狂った落語と、十八番の人情噺の三席。それぞれがどう変わったか観ていただければ幸いです。

とは、いつも配られるパンフ。一区切りつけて立ち返るのは、やはり基本的なものなのでしょうね。まぁ、さすがにちょいとお疲れのご様子にも感じられ、小さなハプニングがあったり、パワーがいつもより弱いように感じたんですが、そんな中でも"客席の気"をぐいっと持っていってしまうのは、さすが。隣席の女性は、とっても楽しそうでした。実は、こちらも暑い中一日歩き回って、ちょっとぐったりしてました(懺悔)。


「猫久」に出てくるおかみさんの存在感、「転失気」の小僧は、いい感じだったと思います。何事も強気に出る人は、現実にもいますけど、こういうキャラはまさに落語の世界だと思いますし、個人的にも好きなタイプ。こういうキャラは、志らくさんの得意技の一つだと思います。
文七元結」、さすがに単なるしんみりにはしないですね〜。昔、志の輔さんで聴いた時には、素直にジ〜ンとしたもんですが、今では"あれじゃ長兵衛が更生するきっかけができないんじゃないか?"とドキドキしたり、最後に若い二人が夫婦になるにはまだ何かあったんじゃないか…なんて思えちゃうので、今一つ唐突な印象があります(苦笑)。


あぁ、それにしてもですね、"落語強化月間"と自分で銘打って通い始めたのが去年の9月ですから、ちょうど一年経っちゃいました。あれこれ、いうようになりましたね>自分。でも、言うより、感じるほうが楽しい状態がまだ続いてるんで、もう少しやってみようと思います。というか、勿体なくて、中断する気にはとてもなれませんて(笑)。あなたも、しばらく浴びてみません?