奥の奥に…@バカリBacari da Porta Portese(イタリアン、渋谷・東京)


「…あれ?ハンズの向かいってこの辺りだよなぁ。う〜ん。もうちょっと先まで行ってみるかな」。。。って辺りをぐるりと回っちゃいました。結局はiPhoneでビルの名前を再チェックしたら、なんだ〜最初のビルだった。ガタイのいい外人のお兄ちゃん二人がビルの前でビラ配ってて、しっかりチェックしなかったのが敗因だな、きっと。あったあった、店の看板も控えめだ。入り口のらせん階段も目立たないし、ビルの二階に上がってからも、え〜っと、どこだ?(←行ってみたら、分かりますって)。


何となく距離感が掴めず、背中がもそもそする、渋谷。自分の行きつけにしたいところが見つけられていないから、かなと思います。大きい本屋が、きっかけになってくれることが多いんですが、それも成功せずに、今に至る街なのです。やっとたどり着いた(ちょっと大げさか)古びたドアを開けて中に入ると、こぢんまりとした店内。だけど女性の一人客もいれば、年配のカップルもいるし、男性一人客もいる(←珍しい)。店員さんは、昔からここでやってるんですよ〜と錯覚するみたいな雰囲気を醸してる。ひょっとしたら、この店は、渋谷に対する印象を少し変えてくれる…かも。


横浜にある、SALONE2007というイタリアンの前身、銀座にあったシチリアーノは古い細いビルの二階(だったかな?)にありました。引き戸(これも珍しいですよね)を開けると、いきなりテーブル!、中も決して広くなく、キッチンもいろいろ苦労されながらだったんでしょうね。それでいながら、メニューはワクワク。今、SALONEはカジュアルな雰囲気も残しつつ、少し大人な感じの店に成長しました。そのSALONEの兄弟店が、このBACARI。来てみて感じたのは、シチリアーノみたいに「場所は大事だから選ぶけど、店にはなるべくお金を極力かけずに出発、人気が安定的に作り出せれば改めて店を構え直す」ということなのかもなぁってこと。BACARIも、もうすぐ出世魚みたいになるかも(?)しれません。


渋谷で1000円ぐらいのランチなのに、前菜から、デザートとお茶までついてる。さて、その中身やいかに。パスタランチ、サラダランチ、スープランチなどのなかから、アクアパッツァを(沖縄のマース煮が頭の片隅に残ってました)。全体を通しての特徴は、野菜をうまく使ってるというということと、濃い味じゃないのにさっぱりあっさりしすぎていないこと。うまく下準備してるんでしょうね。前菜の盛り合わせは、人参の千切りのマリネ、茄子、ブロッコリーを柔らかく炒め煮したもの、隠元などが、ハーブやアンチョビなどを使って料理されています。どれも、つけたのではなく、引き出した味がベース。同じトーンで、違った野菜の味が、楽しめる。嬉しいのが、パンたっぷり。無くなればすぐさまお代わりは?と聞かれます。これだけあれば、男だって大丈夫、だよなぁ(笑)。
メインは、ソテーに、じゃがいも、浅蜊ブラックオリーブが。「こちらのスープは、パンを浸しされるときっと美味しいと思いますよ」なんて一言を残す、店員さん。いや、みるからに。グラスワインのお替りを頼みたいところを、グッと押え。それでも、満足。今度は、夜に来てみよう。

  • Bacari da Porta Portese 東京都渋谷区宇田川町36−6 ワールド宇田川ビル2F(電話:3462-2277) 12:00〜14:30/18:00〜22:00 日曜&第2・4月曜休み