変わるものと替えないもの@ゆめの庵(ゆめのいおり、恵比寿・東京)


毎朝家を出る時に今日は何にしようかと考える(^_^;)ランチ、最近よく飲むワインやチーズ。これらには共通点があります。それは二度同じものを味わうことが少ない、ということです。例えば同じ蔵のものでも年が違うと味が変わるんから、ワインは同じもの飲むってほとんど不可能ですもん。でも幅を楽しむのと、物差しがぶれるのは別のこと。和食だと、例えば出汁に代表されるような、穏やかで香りも控えめなんだけどそれが背骨っていうものがあるわけで。店のタイプによって誘う人は変えますけど、夜にリピートするのは、自然とそういうことが感じられる店になっちゃいます。


しばらくぶりに訪問したこの日、お任せコースを軽めで注文。ひとりだったんですけど、カウンターがいっぱいだったのでテーブル席へ。まずは突き出しの枝豆と、白瓜と砂肝の和え物で、恵比寿の生をぐびり。。。で一息ついて先にご飯へ。到着が遅くなっちゃったので先に食べてからゆっくり飲もうと(笑)。千切りの茗荷やキュウリを梅で柔らかな味に和えた暑い時期に嬉しい小鉢、ねっとりとした味わいの、漬けにした鮪とツルリとした舌触りでこりっとした青柳などを絡めた刺し身、旬の冬瓜を豚肉とあわせて黒胡椒?がアクセントのスープ風煮込み、それに漬物。どうみても酒!が進みそうなラインナップに、途中から我慢できずに早めにご飯をかたずけて、スタート!。あはは。その後、揚げたてのがんもどきとたっぷりの野菜に、胡瓜とじゃがいもで作られたソースがかかったものが登場。う〜ん、胡瓜ってこういう使い方もあるんだなぁ…なんて思いつつ、ありゃりゃ徳利が空いちゃった。お代わりくださーい(爆)。

いつ行ってもある定番もあれば、二度とお目にかかれないものもあるのがメニュー。この店のそれは、基本的に毎月変わっちゃいます。リピーターにも、初めての人にとっても、基本的には初対面。新しい食材が取り入れられるものももちろんあるんですけど、よく知っているはずのものなのに、組み合わせや使い方で自分の常識がガツンとされるものも珍しくないのが、ちょっと楽しみなんですね(あ、新しけりゃいいってもんじゃありません、もちろん)。ずいぶん前になりますけど、この店で肉のような食感のものに出会ったんですが、それが何か全く分からず、ただおいしいとしか言えず…。それ、凍みこんにゃくでした。家の冷蔵庫で作ってみようと試みるも、見事に失敗したっけなぁ(-_-;) そういうものでも、メニューが月替わりだから翌月になるともう会えない。も、もったいないっ!と思うんですけど、そのおかげでいつも新しい組み合わせと対面できる訳だから、悩ましいです〜。最近思うんです。"初めてのことを多めにして、でも背骨はブラさず”というバランスは、食事に限らずいろんな場面を楽しくおいしく過ごすためのコツのひとつかもしれないぞ、なんて。


そうそう、忘れちゃいけない。この店のもうひとつの特徴は"スープ"、だと思います。和食の店での吸い物、みそ汁は別に珍しくないけれど、和風のポタージュ系スープや、この日のメニューにあった季節の和風ポトフといえるんじゃないかと思うような汁の多い煮物が必ずある店は、なかなかお目にかからないですね〜。スープ好きにはちょっと貴重な存在です。さて次は、いつ行けるかなぁ。。。


  • ゆめの庵 渋谷区恵比寿西1-15-2(電話:03-3770-4727)18時〜23時/土日祝日休み


※器も面白いので、そちらに興味がある人はプラスで楽しめます。多分。