店の印象は人も大きいものだなと改めて＠MAXVIN(六本木、東京)

週末のランチ。何かと人の増えた六本木、それでも国立新美術館が間近なこの場所はそれほどでも無いのかもしれない。個人的にはDeisyも近くぶらついていた辺り。ちょっとドキドキしながらドアを入り、席に案内されて席に着く。それから改めて店の中を見渡してみる。金曜日の12時、まだ客の入りは少なくて何となく落ち着いた雰囲気。背の高いワインセラーが４つ程目に入る。おっと、そのうちの一つは葉巻がぎっしりだ(^_^;)。他にもいろんなアルコール類が所狭しと店内に並んでる。おぉっ、春雨の20年もの43度なんて凄いものが(←泡盛です。自分の好みのものしかわからないのでありました。。。）。

瓶だけでなく、厨房へと続く壁のキャビネットにはぎっしりとグラスも詰まってる。その近くの小さなスペースに何本かのワインの瓶が置かれ、注文を受けるとそこでソムリエ氏がグラスに少し注ぎ、自分で確かめる。それから改めて別のグラスに注ぎ、テーブルへ。なるほど。そんな光景を眺めていたら、

「何か食前に飲まれますか？」
「えぇと、ではシャンパンを」
「お待たせ致しました」

元気な泡が立ち上る細いグラス。スッキリとした香り、味わいはしっかりしてるのに重く感じないボディ。なるほど、こういう酸(といっても酸っぱいわけじゃないんです)はいいもんだ。胃が目覚める気がする。アミューズの３皿(イベリコ豚のサラミ、オリーブ、自家製のピクルス)も、スパイスや酸味などがアクセント。これで完全に"食べるぞ〜！"モードに。こういう流れはスタートから頬が緩むのがわかる(笑)。

外での食事を楽しく充実した時間にしてくれるものは、なんだろう。「あの店にいけば確実にあるレベルのものが味わえる」のに、敢えて新しい店にいくというのはそれなりにエネルギーがいる。でもそうしないと、自分の中で店は増えていかないのが辛いところ。だからそうやった末に、新しい何かと出会えると素直にウレシイ。例えば、値段を超える何かを持っている食べ物や飲み物。といっても凄い食材を使っていたりするからとか、珍しいメニューだとかそういうことよりも、「もう一度来よう！」と思える何かに出会ったこととか。空間の味わいや、共にテーブルにつく人(これはいない場合もあるな)も大事だけれど、いろいろな条件が総合的にいい線いっていなくても、一点突破する何かが欲しい。それに加えてお店の"いい雰囲気"を醸し出している"いい人"がいること。以前はよく分からなかったけど、これがとても重要だと思うのだ(※)。

初めて行った店が混んでいて、店の人とのやりとりの勝手がうまく掴めない時。はたまた海外にいって、メニューが読めない時。こんな時には、この人の力で気持ちの針はプラス・マイナスどちらにも大きく振れる可能性があると思うのだ。食事だけじゃなくて買い物であってもリピートに繋がるポイントだ。何度か繰り返し行っている店に、この"人"の要素でマイナスだったところは無いと思う。

さて、ランチのコースは、3500と4500円。違いは前菜が一皿か二皿か。ちなみに一皿目は、帆立を使ってビシソワーズで仕上げたもの。思った以上にプリっとしていて、蒲鉾を思い出す。ビシソワーズは帆立の出汁がまじり魚介のクリームソースさっぱり風、という印象。いやいや、フィックスされた前菜にスープ仕立てがあるだけで個人的にはポイントです。ホントに最近、スープが用意されているメニュー、少ないと思いません？

「たくさんは飲めないけれど、料理ごとにいろいろ楽しみたいんですけれど。。。」
「それでは量を少なめにしましょう」

と、ソムリエ氏。なるほど！ありそうで今まで出会わなかったなぁ、こういう対応してくれるところ。そのおかげで、白、赤、白と3種類を楽しめましたよ。最後は食後のチーズに合わせて。いやぁ、いいですねぇ、食事が終わったかにみえたところで、「ふふふっ、デザートの前にチーズですよ」というのは。

昔、あるワインバーで「良心的な店で仕入れ値の2〜3倍ぐらいですよ。店によってはもっととってます」と聞いたことがある。確かに自分で買ってきて週末飲んでいるワインが楽しいと、店にいって頼むのはちょっと勇気がいる。この人に任せても大丈夫かな！？と気にしつつ、思いきって頼んで出てきたボトルが、先週末に家で飲んだものだったりすると。。。いやぁそりゃ力抜けます。そんなことを経験したりして店でワインを頼むことってあんまりワクワクするものではなくなっていた、みみっちい私(爆)。でも！外で飲む楽しさってこういうところにあるんだよなぁ。。。って今更ながらに分かった気がする昼下がりだったのであります。またいこうっと(^_^)

MAXVIN　港区六本木７−２１−２２(電話：5775-1073）日曜休み、ランチは水曜〜土曜

※実はこれ、お店だけじゃなくて会社でもそうなんですよね〜(^_^;)