今年の正月に特に印象に残ったもの二つ

百合根のポタージュ

ここ数年、年末に北海道・真狩から百合根を取り寄せるようになりました。小さな段ボールに一杯詰まったおがくずの布団に眠るクリーム色の根菜(というのかな?)。去年、知り合いが土に植えたら綺麗な花が咲いたと教えてくれたので確かに百合の根なのだ(爆)。じゃがいも、人参、玉葱、大根、里芋、牛蒡…。いろんな根っこがあるけど、普段食べてるものでこういうやつは見当たらないなぁ。見かけで近いのは玉葱かな。でも近いだけでやっぱりいろいろ違います。まず、"花が立派"(笑)、百合ですもん。それから、収穫までに(確か)三年かかること。普通の野菜みたいに一年間じゃダメ。そして、皮が無いので剥かないで食べられるっていうことでしょうか。


寒い季節、オフホワイトのような、象牙色のような白い色は暖かさを連想させますね。ねっとりとしながらもすっきりとしたほくほくした味わい、肌理の細かい吸い付くような食べ心地もそんなイメージに繋がっています。里芋よりも八頭のような、木綿豆腐よりも胡麻豆腐のよう。鱗片がたくさん集まったそんな根をみていると、じゃがいものようなものよりも、”たまご"という感じがして命をいただいている感じがしてきます。鶏の卵よりも、いくらのような(笑)。


この百合根を、思いきってポタージュにしてみました。蒸らし炒めして、ミキシングして、牛乳加えて、塩。いやぁ、見かけはシチューみたいなだけど、喉からお腹かからす〜っと染み込んでいく感じは百合根の作り出す食感と、やはり脂がないからなのかしらん。そしてこのじんわりとやってくる柔らかい甘味。"甘い"といってしまうと別の意味になってしまいそうです。土の中でじわじわと蓄えられてやっと甘味として感じられるようになった…という印象です。丼一杯ぺろりと飲んでしまいました(^_^;)。


トム・カー・ガイ

タイからの留学生が作ってくれた、スープ。こちらも見た目は百合根のスープと似た柔らかなクリーム色です(…この写真じゃ分かりにくいですよね-_-;)。この色は、ココナツミルク。彼に教えてもらったところ、"トムはスープ、カーは生姜、ガイは鳥肉"という意味なんだだそうです。なるほど〜!分かりやすいなぁ、中華料理のメニューの表現に似てる。言葉さえ分かれば、ですけど。このスープ、香りはレモングラスが印象的ですけど、ポイントはやはり生姜なのでしょう。ごろごろと入ってます。噛ってみると、火が通った後だからなのか、やはり日本のものとは違う種類なのかぴりりとした味わいがとっても弱い。まぁ、出し殻みたいなものを噛ってるから、はっきりしませんけどね。


一瞬豆乳?って思ったぐらい、さっぱりとココナツミルクを伸ばして作られたこのスープはまるで美味い鍋のスープを飲んでいるようでさえありました。京都や福岡で食べた水炊きを思い出します(うぅ、あれももう一度食べたい。。。)。
レモングラスはそこら中に生えてるからタイの人はお金出して買いませんよ〜」
トム・ヤム・クンってタイじゃあんまりポピュラーじゃないと思うんですけど、何で日本だとあんなに人気あるんでしょうねぇ…」
「輸入ワインは贅沢品扱いで関税がとっても高く、普通は買えません」
なんて話をいろいろ聞きながら、実はココナツ系が得意じゃないんですけど思わずお替わりしてました(笑)。


ごちそうさまでした〜!