涼しい寿司@おけい寿司(八重洲・東京)

店の前に着いたのは、13時半ごろ。暖簾はでているけれどシャッターが15cmぐらい降りている。ありゃ〜早じまい!?でも、ここで入れないと次は何時来れるか分からないんだよなぁ。。。


「あの〜お昼はもう終わりですか?」


主人とおぼしき人が時計を見る。どきっ。。。あ、でもOKでした。よかった〜!
カウンターに十席、一番奥がご主人である。その前の席には常連とおぼしき客がいた。なるべきそちらに近寄りながらもやや距離を置いて若い職人さんの前に座る。聞くとお昼はお任せ5250円なのだそうだ。今日は覚悟してきたし、そうなっていた方が安心はできる(笑)。最初は鮪だった。鮪が大きすぎることもなく、ご飯とのバランスはいい感じ。ぱく。


「。。。えっ(なんだ…これ)!?」


最初の鮪で特に感じたのは、口に入れると蒸し暑さが舌の上です〜っと消えていく不思議な味わいだ。なんだろ、これ。蒸し暑さがス〜っとひいていく。もちろん、ご飯が冷たく冷やされてるわけじゃない(そんなことしたらきっとマズイに違いない)。なのに、口の中から身体が落ち着いていくような気がしてきます。タネもご飯も温度を感じさせない温度とでもいったらいのか、暑い時に冷たいものをごくごく飲むよりも、井戸水ぐらいの冷たさで冷やした梨やトマトにかぶりつく方が水分が身体にじんわり染みていく…そんな感覚を思い出すように握られてます。煮きりの味も、鮪・酢飯どちらにも出過ぎず引き過ぎることなく、両者をまとめることに一役買っているよう。大きさも手ごろなので、つい楽しくなって握りが置かれるそばから食べちゃう"わんこそば状態"になってしまいます(笑)。
白身やトロなどを経て、巨大な玉子焼きにたどり着く。一人前の真ん中とおぼしき辺り。そして車海老や穴子を経て最後にかっぱ巻き。という構成。これはこれでなかなか楽しいなぁ。ふぅ〜。


最後に思いきってご主人に聞いてみた。

「タネがおいしいのはもちろんはもちろんですけど、このご飯、何か特別なことをされてるんですか? 口に入れると涼しく感じる気がするんです」
「米にこだわってるっていう店は多いけど、肝心なのは塩と砂糖と酢の合わせ方、バランスだと思ってやってます」


と、ご主人。なるほど。ごもっともである。ふぅむ、別の季節に来たら、今度はどう感じるんだろう?いや、合わせ方を変えるのかもしれない。そういえば、寿司には煮切りやツメが塗られていたけれど、その濃さは一定に思える。フレンチなどで塩味の強さがどの皿も一定…ということを感じたことはあったけれど、和食でこの経験をするのは初めて。ご主人の前にはさまざまなタネが入った箱が置かれていたし(今回は残念ながらよく見えませんでした。。。)、今度は季節が変わったら是非あの席に座ってもう一度食べてこういうことを感じてみたいなぁ。


外に出ると、雨粒がぽつぽつと。慌てて地下街に入ると、この後でしばらくの間、東京駅周辺はかなりの激しい雷雨になったのでした。

  • おけい寿司 東京都中央区八重洲1-8-11 (電話:03−3271-9928) 土日祝日休み