踏切脇有居酒屋的好中華@光春(台湾料理、代沢・東京)


食べ物に関して(も)いろいろな誤解をしてきました。例えば、"和菓子は季節を感じられるけど、洋菓子は季節感が薄い"なんていうのは、ホントに恥ずかしくなります。ごめんなさいっ!(←誰に?) 確かに、一年中メニューのほとんどが変わらないようにみえる洋菓子店はあるにせよ、今は断固としてそんなことはない!と洋菓子の弁護に回ります。中華料理に関しても同じ誤解をしてきたことが、このお店に来てわかってしまいました(苦笑)。


井の頭線で下北沢〜渋谷間に乗ったことがある人は、池ノ上駅の踏み切り間近にある、ぎらぎらした黄色い看板と紹興酒の甕が並んだちっちゃな店を、意識するとはなく目にしているかもしれませんね。学生時代、通学でこの路線を使っていて何となく記憶していた存在でした。でも実際に行ってみるということはとうとうなく、それがウン十年経て偶然誘いを受けて行く機会ができるとは、ホントに面白いもんですねぇ。何となく想像していた通りの、カウンターとテーブル席が少しというこじんまりしたお店。建物そのものがそれなりの風格ですから、それがまた雰囲気を作り出してます。カウンターにはずらりと一升入るミニ瓶が並んでます。あ、この日は二回目の訪問でした。


「ええと、今日のお勧めは何ですか?」
「こちらの青茄子はいかがですか?普通の茄子より味が濃いんですよ。露地物なのでこの時期一週間程しか入ってこないんですよ。」
「っお願いします!」
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シャンツァイのアクセントが心地よい青茄子の冷製仕立て(左)、続いてさっぱりとしたヘチマ(←滑らか〜)と湯葉の炒め物、しゃきっとした食感の黄緑色のロングヘアー・水連菜と白魚(右)は豆鼓がアクセント(注:水連菜は、ホントに長いんですね〜。切る前は50cmはあるんじゃないでしょうか)。。。個人的には定番の大根糯、濃いめの味だけど後口のすっきりした豚足を刻んだ炒め煮などなど。こんな調子でどんどん食べ進んじゃいます。いや、炒飯とか、麺とかいわゆる定番中華も、もちろんあるんです。でもね、季節モノとかお勧めとか、どうしてもそっちからってなっちゃう。この日は友人と二人だったんですが、それでもそっちまでは舌が、腹が、最後は頭が回らない(笑)。それは、紹興酒(瓶出し七年)も進んじゃうからなのです。常温で、烏龍茶を飲むような小ぶりの器で飲むんですが、料理と酒で指しつさされつ状態です。友人と、時にご主人から食材の話や台湾の話を聞いて、楽しみながらあっという間にできあがり〜。。。自分の中では、とっても危険なお店でもあります(苦笑)。


場所柄かな、学生風のグループとか、いかにもアパートがすぐ傍で…というような若いカップルが、ご飯を食べに来ていたり。逆にワイシャツにネクタイ、なんていうお客が少ない(この日はいませんでした)のも、自分にとってはちょっとした非日常を感じて不思議に盛り上がっちゃうのかもしれないなぁ。それにしても、中華料理がこってりしてるなんてどうして思ってたんだろうなぁ。

  • 光春 東京都世田谷区代沢2−45−9(電話:03-3465-0749)

 18:00〜25:00、火曜休み
 ※9月10日ごろから拡張工事のため一時閉店…して10月に再オープンの予定