あぁムール、アモーレ@AoteaRangi(ニュージーランド料理?、恵比寿・東京)

以前から思うのだけど、誰でも知ってる割にムール貝ほどオマケ的な存在も珍しいんじゃないだろうか。パスタやブイヤベースでは主役ではないし、記憶に残らない。ひどい時には"あれで嵩を増しているんじゃないか?"なんていわれたり。まぁ確かに、浅蜊シジミのような出汁がとれる感じもないし、味や食感に特徴的なところがあるかというと…ちと苦しい。真っ黒い殻もそのサイズも、かわいげは…ないか(笑)。でもこのムール貝、何でもベルギーではバケツのような鍋一杯の白ワイン蒸しを普通に食べているとか。この夏パリでそのベルギーのチェーン店に行って出てきたのは、こんなドド〜ンとしたやつ(左の写真)でした。でもまぁシーズンオフということもあってか、印象に残ったのは烏賊やワカサギのフライの方だったり。


ところ変わって南半球はニュージーランドマウントクックのある南島の、北端、マールボロ地域辺りは、ムール貝で有名らしいのです。このマールボロとか隣のネルソンは、白ワインの産地としても有名な地域。シーフードもいろいろあるらしく、NZ旅行のプランニングの時には「次はここ!」と真っ先に名前が挙がるのですけど、他の地域からかなり離れていることもあり駆け足的な旅では結局立ち寄れなくなってしまう地域でもあります。もとい。このNZのムール貝は、貝殻の縁がきれいな緑色をしていることからGreenLippedMussleと呼ぶことは、この恵比寿の店で知りました。ここは、このマールボロムール貝(マッスル)を食べて感激し、日本でもお店を!…という経緯がHPにでています。ちなみに加熱する前からちゃんと緑色をしています。昨年の旅行の時に確認済みです(笑)。ということで、久し振りの再訪です。



はじめは小ぶりな生牡蛎から。いや、今まで食べたことのないような濃さですよ、これ。コンデンスミルク…といってしまうと別の味が浮かんでしまいそうですが、普通の牛乳よりぎゅっと濃い味わいが舌に響きます。後でまた頼もうか?なんていっているところに、欧州のそれに比べて小ぶりなポットに入ってマッスル(ムール貝)登場!いやぁ、にんにくの香りが食欲をかき立てます。プリっとした食感にワインが進みそうな味。ひとり二個ずつがあっという間に空。グラスのワインを飲むヒマも無いぐらい(笑)。あとできるのは、鍋の底のスープにパンを浸して食べるだけ(苦笑)。実はこの日一緒に行ったのはマッスルが初めてのメンバー。この人数なら最初にポットを二つは頼むんですが、念のため一つで注文。でも案の定、早速追加を注文してしまいました。あぁ、ここであのバケツのような量が食べられたらなぁ(爆)。


ずっとずっと昔。貝塚なんていうものが現在進行形だった頃、もっといろんな種類の貝をこんなふうにたくさん食べていたんでしょうかね〜。今よりももっとたくさん取れたんでしょうし、魚よりも採るのは楽そうですし。欧州に貝塚があるかどうかは知らないんですが、もしないとしたら、ムール貝をこんなに食べるようになったのは近年のことなんでしょうか。積み重なった綺麗な縁取りの殻をみながら、ふとそんなことを思ったり。。。したのも一瞬のこと。キングサーモン登場。その後は手長海老、しらすのパスタ…ブルーチーズを挟んでワインは赤に変わり、皿の上も蝦夷鹿へ。最初は蚊を気にしながらだったテラス席も、雨と共に囲いがおろされてからはそれも平気。あぁ、よく食べ、飲み、しゃべり。すっかり雨はあがってました。

 火曜休み、18:00〜24:00(週末は17:00〜)