辛旨味見参!@富ノ屋(韓国料理、本八幡・千葉県)


思い返せば韓国料理というものを、ちゃんと食べたことは無いように思います。まったく口にしたことが無いわけではないはずなんですが、定かな記憶がないということはまぁ、そういうことなんでしょう(爆)。辛いものが苦手ということも影響してるかもしれません。ということで、初めて尽くしの始まりです。最初は、本八幡という駅に初めて降りたことから。線路に沿ってしばらく歩き、10分弱ほど行ったところでいきなり開き戸をガラガラ…と思ったらここがお店でした。見上げれば店の名前が書かれてました。すぐに座敷、大きめのテーブルが六つほど並んでます。まるで誰かの家に上がったような雰囲気ですねぇ。


テーブルにずらりと並んだ前菜10種。半分ぐらいがキムチ系。白菜、大根、菜っ葉もありますね。どれも共通してるのは、旨味というか辛さだけが尖っていないこと(←辛いものが苦手なのでまずそういうところに注意が向いてしまいます…)。日本では辛味を結構ストレートに、そして調味料的存在として、用いているように思います。辛子や山葵に始まって、寒造里(かんずり)とか柚子胡椒とか七味・黒七味、山椒など"ピリリ"としたものはいろいろ。しっかりした旨味の中に辛味がじんわり潜んでいるというものって何かあったっけなぁ。うぅむ、やはり辛味と向き合うの、初めてかも知れない(笑)。


唐辛子の韓国への伝来は、16世紀後半から17世紀らしいとか(wikipedia)。チャングムの時代にはなかったとは家人の弁。それが今では大きな特徴になっている。貴重なものだっただろうし、どうやって根付いたんでしょうねぇ。日本にもそういう類いのものって何かあるんだろうなぁ。。。「あ、それまだ食べてないよ〜!」おぉ、じゃがいものキムチ(?)。ちょっと甘味があってほっこりして、こりゃいけますなぁ。マッコリもすすむです。そういや、この酒も初めて飲むような。甘酒よりさらっとして、お茶代わりのような、なんともこれも形容しにくいなぁ(苦笑)。


名前は聞いたことがありますが、なるほど、これがサムゲタン。鶏の薬膳スープ。あの人参もこの中に。個人的には米(もち米?)が入っていたことに、ちょっと感心。いい具合にとろみがついてます。米の使い方も、ご飯中心の日本よりもバリエーションがあるのかもなぁ。ふぅむ。ところで「ゲ」が鶏なんですね、タイは「ガー」が鶏の意味でしたよね、フォー・ガーとか。さて、ほのかに苦味…という単純なものじゃないん違うんですが、これが人参の味なんでしょうね。とろっとしたさっぱり味の汁に、キレを与えます。調味料じゃなくて鳥肉と一緒に煮込まれたいろんなものから染み出した味。あぁ、こういうスープってほっとするなぁ。焼き肉屋の若布スープとかとはまったくの別物ですねぇ。。。え?比べる方が間違ってるって。確かに。このスープでお米の量をもっと増やしていったら、中華粥に近づくような、そんな気がするサムゲタン


途中で何度も戸が開いてお客さんがやってきます。おかみさんとの最初のやりとりは「予約されてますか?」顔なじみのお客も、予約が無ければ入れない。う〜ん、賑わってますね!確かに店も一杯です。グループもいればカップルも子供連れも。そうそう、おじさん組がいませんね。なんでだろう?偶然かな。


続いて、チジミ。今までにも何度か食べたことはあったんですが、いや〜、これ決してお好み焼きじゃないのですね。まったくの別物でした。薄めですし、パリッとしてる。粉(を溶いたもの)は、あくまでたっぷり入った具のつなぎという役割のようにみえます。それにあちらは味のしっかりとしたソースを付ける。本来は具に旨味のしっかりしたものはあまり入っていなかったんじゃないかと想像。こちらの印象は、かき揚げを、揚げずに焼いてる、という感じですね〜。烏賊、ニラ、玉葱などが身も香りもぎっしりで、これはいけますゾ!え〜っと、つぎは。。。



韓国は唐辛子を使った"辛旨味"、欧州にいくとこの役目はソースやドレッシングが担っているものかもしれません。日本だと味噌や八方だしみたいなものかな。発酵させた旨味もの調味料は、アジアではよく見られるように思いますが、欧州ではチーズなどの乳製品でしょうか。勘違いもあるかもしれませんけど、こういうところに、その地域の個性(風土や気候などに依ってるから)が出てるような、そんなことを酔ってあんまり回ってない頭でぼわんと考えながらの、満腹の帰り道でありました。