冬の星座のごとく@立川談志一門会+下丸子らくご倶楽部


談修さん、談笑さん、市馬さん、松元ヒロさん、そして家元・談志(なぜか、"さん"と言いにくいと感じるのはなぜだろう?>自分)。月曜日の練馬は、いろんな星が輝いてる空を見上げるがごとくでありました。食事に例えるなら見事なイタリアンのコース。前菜、パスタ、魚、ときてチーズを挟んで、肉。なんだかそんな気分です。あ、そういえば飲み物が無いな。。。ということで終わった後の寄り道の理由が立ちました(爆)。


 最初に登場したのは、談修さん。初めて聞きましたが、さっぱりとして落ち着いた雰囲気が好印象。もうすぐ旬を迎える山菜がぎっしり…みたいな立川流にあって、生で食べても美味しい牛蒡みたいなアクの抜け方。踊りも披露し、談志一門は、二つ目の巾も広いんですね〜(ごめんなさい、まだ他をみていないので…)。
談笑さんは「薄型TV算」。いやぁ、元になってる噺は知らないんですが、面白いですねぇ。会話の中で、画面サイズがどんどんデカクなってく。藁しべ長者もびっくり。しかし、この兄貴。自分の買い物でこれをいつでもやってたら、そこそこ財を成していそうなのに、どうもそうは見えないのが面白いところですねぇ。人に頼まれるとスイッチが入るっていうことなんでしょうねぇ。いい人(?)なんでしょうねぇ。
うって変わって、準立川流(笑)の市馬さんが「堪忍袋」という噺。賑やかで馬鹿馬鹿しく楽しい噺なのですが、同時にしっとりとしたものを感じてしまいます。こういうところ、面白いですねぇ。それにしても袋を縫う手つきなどは、演技とは思えませんでしたし(笑)、噂に聞く昭和歌謡(憧れのハワイ航路)も聞くことが出来ました。芸能にも"伝承されるもの"と"一代限りのもの"がありますけど、同じ噺をいろんな落語家さんがやるというのは、こういうカラーの違いを楽しめるところが面白く、またいいもんだと今更ながらに思います。はい。


トリは、初めての家元。それまでの出演者がみな、「まだ楽屋に見えないんですよ〜」なんて話すぐらい、観客と同じぐらい、気にかけてる存在。するするっと座布団に座り、お辞儀を終えたらいきなりゼスチャーで枕を開始。期待に満ちたお客への照れもあったのかもしれませんし、その観客を試すというか挑戦だったりするのかも…なんて(笑)。途中で復活を試すかのように、ブザーが鳴ったりケータイがなったり(怒)という、度重なる妨害工作にめげることなく、そしてそんな中断にも観客が元の世界に戻ってしまうこともさせず(お見事です!)、「つるつる」を噺し切ったのでした。


さて金曜日は、下丸子へ。前座3人+志らくさん・花緑さん+ゲスト、という陣容です。まっすぐだけど実は芯の強そうな花緑さんと、斜め切り込みパワー溢れる志らくさんのコンビのトークで幕開けです。例のG7から総理、舞台、ワイドショーのコメンテーター、新刊、マスコミ、コーラetc.あはは、メモがなくても思いだし笑いできちゃいますよ〜。20分の予定時間はあっという間に過ぎて(そもそも前座バトルで既にのびていたんですが…)、小さな会場はすっかり温まり、いい感じ。その後、花緑さんが「無精床」、志らくさんが「短命」という噺。どちらも初めてきく、シンプルな笑い話。ちょっと独演会などとは違うこの会の観客を意識して選ばれたのかな…とも。
今回のゲストは、松元ヒロさん。う〜ん、月曜に続いてヒロさんを週に二度とは、自分の中ではなんとも贅沢なことであります(笑)。しかも、志の輔さんの新宿の会に出てくる時とは違って、ヒロさんが"喋る"んですから。総理大臣を模してあれこれ語るというのが"本業"だとは知りませんでしたねぇ。しかしこのお方、志らくさんの弁を借りれば「腰は低いが言うことキツイ」のに、何でこんなに素直に笑えるんでしょうねぇ。思いきり笑えるだけじゃなくて、その後味が違う。例えば、○小路×麻呂さんとかの場合、TVでみてもどちらかといえば麻生さん系で、笑った後にちくっと痛む感じもするんです。でも、それがないヒロさんは、と〜っても危険な人でありますよ。わはは。

晴れていれば頭の上も星が綺麗なはずなのですが、天気はずっと良くなかった一週間。高座の星々は鮮やかでした。さぁて、三月。今月は忙しいぞ〜(苦笑)。