新!?古典独演会、開幕@立川談笑落語会(四季・春その一、JTアートホール)


立川談笑さんの"色"というのは、いい意味での"軽さ"みたいなモノなのかな〜と只今現在思いつつ、ほんまかいなと確かめに、通ってみようと思ったのであります。独演会では結構オフレコ的な話しも交えた場でしたが、さて、こちらはどうだろう。


今回が初めての、J亭(JTアートホール)。高座に上がって言われていましたが、この建物、見かけは今風(ちょいバブリー?)なのに、タバコの匂いがたっぷりするという最近珍しい空間です。ホール自体もクラシックなどもやっているのだそうで、天井が高い。ので?座布団の位置も高い。いつも通りの羽織なしの袴姿ですたすたと登場した談笑さんがそこに座ります。初めての場所ということもあり(…そういえば国立演芸場も今年からだったような)、客席の反応に探りを入れます。会社の施設ということもあって普通の独演会よりも、そのマクラの話題は印象と比べておとなし目かな。でも、そうしながらも時々吹っ切っているような感じもするし。その調子で行っちゃえ〜(笑)。わはは。


それにしても、凄いなと思うのですよ、落語家のみなさんは。同じ演目をいろんな人がやるという状況は、例えばオーケストラでも変わらない。指揮者とオケの組み合わせで、同じ曲でも随分と印象が変わります。ただ、コンサートの場合は"マクラ"なんかないですもんねぇ(笑)。そこで紡ぎ出される世界に入ってくるか、ついてこれるかは観客に負っている部分が落語よりも大きそうです。落語は互いに探りながら、導かれつつ自らはまっていくわけですから随分気を遣ってくれているといえるかもしれませんね〜。新しい会場での独演会・シリーズ会は、最初のデートみたいなもんでしょうから(笑)、今年は緊張の初対面の場面を多く経験する覚悟ということかもしれません。つまり。談笑さんは今また大きく進化している最中なのです(多分)。去年初めてこの方の会にいって、今年は少し連続してみてみようと考えたのは特に根拠がなかったんですが(爆)、ラッキーでした。


季節モノかつタバコが登場するという条件(笑)を満たした、「花見の仇討」ではじまり〜。一週間前に談春さんで聞いた噺…だったので分かったんですが、古典といいながら談笑バージョンにしっかりなってます。で、それがいい感じです。キャラから噺の最後まで四人組のバカバカしさに焦点が当っていて、それが自然に思えます。それにしても、巡礼のひとりが"謎の中国人"っていったい(笑)。二席目は、「天災」。こちらは十二月に志らくさんで体験。途中までは、とても名丸先生に説得されるようには思えなかった八五郎。ストレートな勢いがありますな〜。


中入りを挟んで、トリは「文七元結」。熱演しながらも、夫婦のやりとりも、娘とのやりとりも、結構淡泊な感じで進進んでいく印象を持ちました。恐らく人物に焦点を当てる時はもっとここが濃密になるのだと思います。でも違和感はない。その感じが不思議というか、面白いです。談笑さんのキャラクターや今と合っているということなのでしょうか。最後には、「いや、また夢になるといけねぇ」なんて芝浜と表裏一体にするという技も繰り出して。古典をやると宣言してもただなぞることはしないのですね(笑)。来月の会も、楽しみです。そうそう、ホールの音響効果は改善されるといいですねぇ。


。。。それにしても、3月は落語を見過ぎました、ふう。その合間(?)に旅行もして、他にはエネルギーが回らなかったような気もして(…マズイ)。4月からはペースを少し、落とし…ます。ハイ。