今月のチーズ(2009年4月)〜プティ・アグールPetitAgour


半月ぶりの更新です。こんにちは。落語が、たまりにたまってしまって…おいおい書いていこうと…いけるかなぁ。あはは。では、チーズから、いきますね。それにしても、ほんの10年前には、家でこんなにチーズ食べてなかったよなぁ。10年後には、また別のものも、楽しめているかも。なんて思うと、また、楽しみです。


東京では、毎週どこかで必ず行われているんじゃないかと思う、いわゆるデパートの物産フェア。よくあるのは地域の物産ものですよね。そういう中でやはり充実しているというか、力の入りようを感じるのは、やはり、新宿伊勢丹。先月は、フランス展。しかも、バスク地方に焦点を当ててきました。イベリア半島の付け根、ピレネーの大西洋側の辺り、フランスとスペインの二国にまたがる地域。国別ではなく、スペインも含めて、バスク特集やってくれたらものすごいと思うんですが、後援とか、サポートとかでややこしいかもですね。
ピレネー山脈って、高い山がつづくという勝手なイメージを持っていたんですが、バスクの辺りは1000mぐらいらしい。なのでむりやり富士山周辺で例えると、サファリパークのある裾野市辺りから、海に面した沼津〜三島という感じなのかな。


時間がとれそうもないぼくの代わりに、奥さんが買ってきてくれたのが、プティ・アグ−ルPetitAgour。外皮は、葉っぱの化石のように、水分を絞ったかご?の目がついた、まるで錆びたような細かいけどちょっとざらっとした肌合い。色は、う〜ん、こういう色ってなにかあったかなぁ、紅花が近いかなぁ。でも、どこかの切り通しで見た岩石の方が近いかも。フェルミエのサイトにある説明を読むと、「ピメントという特産の唐辛子を周りに塗り熟成させている」とありました。どきどきしながら、口に入れてみましたが、唐辛子のぴりりは感じませんね。少し調べたら、このピメントpiment、フランス語で唐辛子なのだそうですが、ピーマンの由来にもなっているようです。赤ピーマンのことを、ピメントといっている場合もありましたし。う〜ん、その場合、パプリカとピメントの関係はどうなっているんだろう。わからなーい、謎がよけい深まっちゃった。
さて、断面は、きれいな淡黄色というか、プリンのような色合いです。表面は、ちょっと透明感を感じるような。さっそく、薄く削って、ぱくり。じんわリとひろがるような滋味。そしてミルクの風味と、柔らかい甘さ。牛さんチーズとはまた違う、穏やかさが楽しめます。いっしょに食べるものを、じゃますることなく、合いの手のように食べられる。と、ここではちみつ登場です。ワインとチーズのマリアージュってよくいわれますけど、はちみつとチーズはもっと手軽に楽しめるマリアージュだと思います。はちみつをかけることで、チーズの味わいがなぜか目立って、特に甘味はよりはっきりとしてくるように感じます。


フランスのチーズは、山羊、羊、牛といろんな動物の乳から作られてます。最近でこそ、なんとなく地域性みたいなものがわかってきたように思いますけれど、以前は名称だけでも呪文のようで、何の乳から作られてるか…なんて、とてもとても。
それで、この羊乳から作るチーズですが、フランスでは南のほうに集まってます。恐らく世界で一番有名な羊乳チーズなんでしょう、ロックフォールというブルーチーズ。それからピレネーに沿ってバスクまで何種類も。スペインのチーズは、羊のものが多いですし。ピレネーと羊チーズの旅なんて、いいですよねぇ。