談笑問題、開眼!?@立川談笑月例独演会(2009年6月2日、国立演芸場・東京)他


う〜ん、おかしいなぁ。笑っても、引き込まれても、65%ぐらいの感じ。先日書きましたように、簡易検査で感染反応は出てるんです。でも、そこから先になかなか進んでる感じがしない。ちらちらと立川流以外の落語家も聴く機会もあって、幸か不幸か、「あぁ、ごめんなさい。悪いけど、自分にはだめだ〜」ってすぐに思った人もいました。だから、談笑さんはそうじゃないはず、というのは直感としては間違ってないはずなのに。5月29日、J亭・春その3。「愛宕山、よかったね〜」と話す友。うぅーむ。。。自分にまだ"回路"ができていないんだ…と思うけど、もう4ヶ月経ってしまった。


立川流というのは、会社みたいだって思うことがあります。創業者でありオーナーの家元は、会長兼社長ですね。実質的に会社をまとめる大番頭役を担ってる、叩き上げの苦労人・営業部長の志の輔さん。研究開発から企画までを取り仕切るのは、創業者を慕って止まない、群れるのは少々苦手(?)な、志らくさん。宣伝や全国の販売最前線を担当し、最近は東京以外に地方代理店の開拓にも力を入れている、談春さん。
そんな強烈なキャラクターが揃った会社に入ってしまった談笑さんは、めげもせず、誰とも違う新しいことをやろうとしてる。そんなふうに思えてきたんです。談笑さんは、舞台に登場する時、まず客席をみます。にこっと笑って。まくらでも、「ですよねぇ。え?みなさんは違うんですか!?」「…とするとここにいるのは○○の方々なんですね」っていうパタンをよく使う(ように思う)。もしかしたら、客席とのやりとりを増やした、落語をつくろうとしているんじゃないか。例えるならば、Webを使ってユーザーと直接つながりながら、商品やサービスの企画や開発、サポートまでできる、事業を立ち上げようとしている、新規事業担当。なんてのはどうでしょうねぇ。「おまえさ、俺達より若いんだから、インターネットとか、そういうの、わかるだろ?じゃ、まかせたぜ〜、ちゃんとやっとけよっ!」なんていってる談春さんが浮かんじゃい、、、妄想です。はい。


。。。わかりました!あなたがそうくるならば、わたしゃそれに乗ります!全部、受け入れます。だから、思う存分やってください。あぁ、追い込まれないと、理屈っぽさも発揮できないんですね、わたし。まぁ、いいや。


6月2日、国立演芸場。いつものように、にっこり、ぽんっと登場した談笑さん。
前座の時からこのスタイルなんです、という「寿限無」。確か今日がネタおろしといっていた「二十四孝」。仲入りを挟んで、一度聴いてみたかった「明烏」を、初めて。
寿限無、実は本人はあんまり登場しないんですね。欲深に思えるけれど、それに徹しているわけじゃなくて、どこかとぼけた両親。調子のいい、和尚。
天災か…と思っちゃったぐらい、雰囲気似てるように思えた、二十四孝。諭す大家よりも、屁理屈を並べる熊のほうが、自然に思えちゃったのは、自分がひねくれているからか、談笑さんの気持ちが入っているからなのか。出てくる唐土(もろこし)の話が、いいかげんっぽいから、かも。
お決まりの「烏カァで夜が明けて…」がこんな噺になっていたとは知らなんだ、明烏。この噺も、ここで描かれてるシーンだけで見ると、"鼻摘みもの"の二人の方がよっぽど自然にみえてきます。こういう輩がいるから、世の中回ってるんだよな…なんてちょっと持ち上げすぎかなぁ。


終わってから思ったのは、人情噺よりも、明烏みたいな(?)噺の方が、今は好きかもなぁってことでした。それと。談笑さんを、腹いっぱい楽しんだこと!うれしいっ!!(よかった〜)