今月のチーズ(2009年9月)〜白カビ大作戦、失敗。。。

カチョカバッロCACIOCAVALLO (吉田牧場岡山県

以前から食べてみたかったチーズのひとつに、ようやく。ハード系やウォッシュなどのチーズが好きなものでなかなかたどり着けないという個人的な事情もありますが、岡山の吉田牧場製のものは、ただでさえ入手困難と聞きますから、いつも行くフェルミエでの取り扱いが始まったのは、本当にラッキーです。
さて、これ。なんといいますか、なんとも滑らかな表面と印象が、まるで柔らかい磁器(変な表現ですが…)。日本的、といってしまうとお決まりですが、自然にそんな言葉が浮かぶ外観です。皮もそれほど堅いわけではなく、ナイフがすっと入ります。それにしても…きめ細やかな口当たり、穏やかなミルキーな香りと、ほんのりとした甘さ。ワインがなくても、十分にそれだけでうまい!切ってる傍から一つ二つと消えていく(爆)。ワインと合わせずとも、これだけで十分楽しめます。
ホルスタインよりも乳量の少ない、ブラウンスイスという淡い茶色のきれいな種類の牛の乳を使っているそう。乳量は少ないけれど、たんぱく質がやや多く、脂肪の粒がジャージーほど大きくないのでチーズ作りには向いているのだそうです。一度、いろんな種類の牛の"きき乳"とかやってみたいもんです。。。牛乳には弱いんですけどね。

グリュイエール・ダルパージュGRUYERE D'ALPAGE(スイス、ジュラの辺り)

昨年の夏山のエキスをたっぷり含んだ、チーズ。いやぁ、濃い。一年ものなので気持ちまだ柔らかめな感じはしますけど、ハード系のチーズに共通する旨味たっぷり。そして、その味わいもさることながら、ねっとりとした香りがすごい!匂いだけでも、チーズ食べてる感が十分する(ぐらい)。この香り、日本の発酵食品系に通じるように思います。いけるんじゃないかかなぁ。試してみたい…のに、あぁ、何でこの日は冷蔵庫に日本酒が入ってないんだろう。


さて、先日作った、ブラウニーのソースが気に入ったので、チーズにも合わせてみよう!と買ってきたのが白と青の二つ。

クロミエCOULOMMIERS LAIT CRU(フランス、ロレーヌ)

フランスでは、リンゴといえばブルターニュが浮かびます。素直にブルターニュのカマンベールに行くか、白カビの名族・ブリー一門にするか悩んだ揚げ句、ブリー三兄弟(ビリー・ド・モー、ブリー・ド・ムーラン、そしてクロミエ)の、ちょっと熟成した末っ子・クロミエを選んでしまった…のです。が、、、結構こいつの香りは強いなぁ。白カビチーズ=大人し目というイメージでいましたけど(←普段、白カビチーズ食べることがほとんどないので)古漬けみたいで、なかなか主張してます(ちょっと、アンモニア的な香りに思えるような)。チーズそのものの香りとしては、ウォッシュより強いんじゃないか?と思うぐらい。さすがに、ジャムと合わせて味わいは良くても、香りがバランバランだ(涙)。熟成好き欲張りの悲劇(?)。

ブルー・デュ・ベルコール=サスナージュBLEU DU VERCORS-SASSENAGE@France(フランス、ローヌ・アルプ)

辛味と塩気のの少ない、穏やかな味の青カビチーズ。水気も少なくて、ややむっちり。扱いやすいですね。特に表皮に近いほう。これはこれで、美味しいブルー。でも、合わせるなら、蜂蜜の方が好みだなぁ。。。


ということで、翌週再度リベンジ。

パヴェ ダフィノアPAVE D'AFFINOIS(フランス、ローヌ・アルプ)

先日の失敗を教訓にするべく、再度白カビチーズにトライ。ところが、若目のものがあまり無く…。店員さんと相談して、ちょっと南のほうのこれに。"石畳"という名前の通り、筋のついた小さな四角。豆腐みたいでもありますね。若いうちは真四角らしいんですが、熟成してくると面がへこんできて中はトロトロ、という説明を聞いて、これに決めちゃいました。
確かにサン・マルスランなどに比べて塩気はとても穏やかだし、モンドール以上にとっろとろだし、美味しいチーズです。あ、写真を撮る時に思わず横から穴を開けてしまい流れ出してしまい(苦笑)、お恥ずかしい。
ただですね、結果としてリンゴのソースよりは、マヌカの蜂蜜がとってもぴったりでした。だってですね、カラメルと一緒にプリンを食べてるような味わいになるんです!驚きましたよ〜。


二週間に渡る、研究(?)の結果分かったのは、こういうことでしょうか。

結論:チーズと合わせるソース、ジャムは、そのまま食べると甘いぐらい味のちゃんとあるほうがよい。酸味は、(多分)ワインで補うべし。

ちゃんちゃん。