意外、という楽しさ@AdLib(アドリブ、東京・銀座)&Fermier(フェルミエ、東京・渋谷)


やっぱりもったいない、今月一杯で閉店してしまうアドリブ。とうとう、メニューに「今月末で閉店」という但し書きが入るようになりました。それまでに何度いけるかなぁ。この日もどのメニューにするかを悩みつつ、結局はサンドイッチ。一緒について来るサラダが、ランチとしては素晴らしいのでついつい選びがちなんです。ちなみにこの日のサンドイッチは地鶏のパテとポテトサラダでした。メインが肉ということを考えて、サラダの味付けはほんのりアンチョビという組み合わせ。このサラダだけでもランチの満足度がグンっと上がるのが分かります。サラダにもメインにも共通してるのは、しっかりした味わいなんですけど、何か一つの味が強かったりとか、重さやくどさがないこと。ところで、いつもデザートまで頼む時には飲み物までついたコース(1600円)にするんですが、コーストは別に単独オーダーで選ぶデザートがいつもメニューに載ってます。この日コースのデザートは、イチゴのパンナコッタ。別メニューは、「いろいろお豆のカプチーノ・ソース」でした。どちらも食べてみたいけど、豆好きとしては見て見ぬふりは出来ず別メニューへ。煮た豆がカプチーノのソースに浸ってる!?…デザートだから甘いとは思うけれどどんなものなんだろうという好奇心(笑)。


白インゲン、花豆?、ウズラ豆、虎豆など、大きさも彩りも楽しい豆が、コーヒー味のソースに浸ってました。見た目と食感の巾を寒天が広げてますね。みんな知ってる材料なのに、この組み合わせは予想外。へぇ〜。スプンにすくって口へ。甘味と少し苦味のあるソース、淡泊な煮豆。釜揚げうどんに生卵じゃないですが(爆)、うまく豆に絡んでコーヒーも一緒に食べるような。もちろん豆の煮方も火が通りすぎず皮も破れずお見事です。あぁ、確か石垣島でコーヒーぜんざいって食べたよなぁ、でもあれとはちょっと違うなぁ。あれはあくまでも"ぜんざい"のバリエーションの一つだと思ったものなぁ。。。そういえば、日本で作るインゲン系の豆は皮がどうしても堅くなってしまうと聞いたことがありますが、皮の存在感が目立たない豆だったらどうなるんだろう…と想像はさらに膨らんで(^_^)



さて話し変わって、ある夜のアテは百合根にロックフォール・チーズ。フェルミエのメールマガジン590号で紹介されてました(HPには、焼き芋との相性も抜群、とありますね)。初めて読んだ時は、なんだそれ!?と思いつつ、興味もむくむく。朝鮮半島や日本が原産とされるらしい百合根(多くはコオニユリとのことです)に、ブルー・チーズの代表格を合わせるという発想の意外さ。でもよく考えたらこの組み合わせは日本だからこそ試しやすいわけですよね!あっさりとしてるけれど、むっちりとして優しい甘味のある百合根と、ピリッとした部分はあるけれど牛さんじゃないからこってりさがど〜んと強いわけじゃない、ロックフォール。ドキドキ。買ってきたのは、手作りの工程を残しながら作り続けているという、カルル社製。ブルー・チーズとはいっても、カビの色は抹茶を思わせる緑色。へぇ〜いろんなものがあるんだな。カビのみえない部分を食べると、こってり、カビの部分もピリッというほどじゃない。なんだかスパイスを思わせます。で、この組み合わせ、パンよりも楽しいかもしれません。こうやって食べてみて、あぁこれはソースにしたり調味料として使えそうなチーズなんだなぁ…と今更気がつきました。遅いっ!普段ほとんど食べることの無い、ブルー・チーズ。こういう和洋折衷な味わい方を、他にも探してみたくなりますね。そうそう、これに少〜し蜂蜜を垂らす。さらに複雑さがまして。。。後はご想像にお任せします(笑)。




それにしてもこのどちらも、自分では思いつけない組み合わせ。頭、堅いかもなぁ。それにしても、何で"意外"だと思のだろう。意外って、あらかじめ知っているものであることが前提。知らないものだったらそんな思いより前の感覚でしょう。ということは、年齢を経ると(最近、この手の視点が多くなった気がするなぁ。。。^_^;)この意外性に出会う確率の方が、全くの新規なものに出会うよりも高いはず。人に対しても意外な一面、なんていったりするからモノだけじゃないですしね。ところで意外なものには、楽しいものとカチンとくるものがあるのも実感。予想通りの展開は安心も出来るし何となく満足感も味わえるし、実際、どうしてこういう組み合わせがいいって思えるんだ?っていう大きな疑問を抱く事例もあるし。でもこっちにまず受け入れてみてそれから考えてみようとする余裕がないとカチンとくることが増える気もします。この両者を意識しつつ、どれだけ意外なものを感じられるか、楽しめるかに毎日の面白さがかかっている…といったらちょっとオーバーかな。 


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