自ら変えることは続くことに通ず@なべ家(江戸料理、大塚・東京)


まだ本調子とはいきませんが、それでも食べる予定はちゃんといれてます(^_^;)。
さて、梅雨です。この季節を代表するものといったら…なんだろう? サクランボにはまだ早いですし、はて。。。でしたけど、鮎があるんですね〜。縁がなくてさっぱり浮かびませんでした。記念日が幾つか重なったのをいいことに、その鮎に初めてお目にかかりにいってきましたっ!


これが鮎、です。ウ〜ン、こんなに出てくるとは思いもよりませんでしたね。焼き鮎が二回に分けて計一人五匹っ!!一生分食べたんじゃないかと思うぐらいですよ。それも、頭からひれまで全ていただけるんです。化粧塩なんて一切無し。頭の部分には他の部分よりも少し余計に火がなめていますが、パッと見て分からないぐらい。炙り目はあるけれど焦げ目はない。おまけに焼き加減が何とも絶妙なんですね。適度に水分を残してほっこりしすぎず、もちろん水っぽくは無い。いわゆる焼き魚とは違う状態に思えます。そしてほんわりとした香り。最後に舌を拭う苦味(ワタそのものは事前に取られていました)。女将によるとこの時期の鮎はまだ小さいし主にコケしか食べてないというから、それなのかな。それにしても、同じ魚を五匹も食べるとなれば普通は途中で飽きますが、この鮎ときたら!そんなこと全く無いのが、驚きです。


ところで女将によると、頭からいただけるこの焼き方、今のご主人が工夫して取り入れたのだそうですね。このことを巡って、先代とはいろいろやりあったのだとか。それでもいいと思うものを通してきたことが、今ではこの店の代表の一つになっているんですから、大したもんです。この辺り、文献だけから江戸の料理を再現している第一人者でもあることに、通じるものがありそうです。いろんな垣根が無くなっている昨今、こういうことを続けることが自分の根っこにつながっていくのでしょうねぇ。。。このお店に来ると、メインの料理だけじゃなくて、漬物から薬味の使い方に至るまでいろんなことに考えるきっかけをもらいます。


最後の(だし)茶漬けに、また鮎が!さすがに今度は半身かな。これで〆。このお店はメニューがなくて一種類のコースのみなんですが、最初の厚焼き卵から、途中に登場した銀皮の美しい鰹
(これを辛しでいただくのがまた美味い!)、蔓の付いた胡瓜に味噌…おいしいだけじゃなくて、なんだか自分が内側から綺麗になった気がします。身体がなんだか違うなぁと感じるのはそれだけじゃなくて、満腹なのに苦しくない…もたれた感じがしないんです。これは僕だけじゃなくて一緒にいった70代の母たちも同じ。鮎を含めたコースの、最初から最後までペースが全く落ちずに完食。うぅむ。これはすごい。やはり脂がない(少なくとも陸上の動物性のものは)ことが影響しているのでしょうかねぇ?で、翌日の昼もそれを元に戻しちゃうのがもったいなくて、脂も肉もない、蕎麦にしました(笑)。



  • なべ家 豊島区南大塚1−51−14(電話:03−3941−2868) 日曜祝日休み 17時〜