ひとりで立ち寄れる店ができた気分@立川談春独演会


いろいろ書こうと思いながら、ずるずるとしていたら九月。今週から落語強化(?)月間です。立川志の輔さん以外の落語家を、初めて自分でみに行きます。初っぱなは、立川談春さん。志の輔さんとは一回り違うのだそうだ。比べるとはなしにいろいろみえてくるんじゃないかと期待して。溝ノ口駅を降りるのはえらい久し振りだなぁ。


妙に横長にみえる幕が左右に開いて、いきなりご本人が登場。オヤ、そんな趣向なのかなと思ったら「え〜8:45には終わってなくちゃいけないんだそうです。前座をいれてる閑がないんです」。。。あらま。そんなことから、はじまりはじまり。


なんだか物静かな滑り出し。あれ!?言葉が…聞き取れない。老化、こんなに進んでたのか?「…脳のバグなんです…」あぁわかった。こっちの頭がついていってないんだ。普段の会話みたいなんだな。「いえね、わたしの家族ってのは…」自分や家族のことも持ち出しての、マクラ。へぇ〜。「…話のホントにうまい人って、怪談か猥談が巧いんですよ…」なんだかいつもの誰かと話をしてるような距離感だ。「…こうず魔多し」ありゃ江戸風も混じる。ちょっとべらんめぇ調になってきたら、ずんずん乗ってきた印象(聞いてるこっちの方が、かもしれないけど)。ウン、いい感じ!一席目の「お化け長屋」の威勢のいい兄さん、休憩後の「五貫裁き」の八五郎とそんな乗りが続いて、どちらも初めて聞く噺だけど自然に入っていく。


第一印象としてメモしておくと、緩めたり引いたりしながら客を楽しませつつ釣り上げる志の輔さんに対して、談春さんは一本釣りみたいだな。あるいは、お袋の味が名物の"志の輔屋"に対して、活きのいい刺し身が売り物の"談春亭"。あらら、どっちもいいよなぁ。家元が同じでも、違うもんなんです。まぁ落語って舞台(一段高いところ)でやるものだけど、芸術監督なんかいりゃしない。舞台も衣装も全部ひとり。演者だけは違う。同じ流派・師匠の元で磨いてきても、そりゃ同じはずはないわな。例え同じ噺でも。。。って、まだ聞いたことないですけど…多分おそらく十中八九。今度は終わりの時間がこんなに厳しくない会で、もう一度聞いてみたいもの。楽しみが一つ増えた。



。。。それにしても終わったあと12階から下りるのにエレベーター三基しかなくてずら〜り並ぶし(パルコもそうだな)、8:45の件といい、公共施設のルールってなぁ。みたま文化会館の「主任さんと加藤クン」を思い出してしまうのはなぜだろう(笑)。さて明後日は、立川志らくさん。ワクワク。