自給自足な島料理@はてるま(島料理、大原・西表島)

10年ぐらい前でしょうか、那覇国際通りからちょっと入ったところに「はてるま」というお店がありました。沖縄に通いはじめたころ、次はあの店へ!と思っていたら…無くなってしまったのです。数年後、そのお店が西表島で復活したと聞き、密かに(笑)メモをしておりました。今回、西表島へ行くことになり、おーその店だけはぜひ行きたい、早速予約だ〜!と電話したのは1月の終わりのことでした。



「あの〜3月の初めにそちらに伺いたいんですが」
「まだそんな先の予定は立ててないんですよ〜大潮の頃は海藻取りだし」
「それでは、もし営業されない場合はお電話頂くということで仮予約させてもらえないでしょうか?」

仕事でもこれぐらい押しが強けりゃいいのになんて自分で思うようなやりとりをして、3月が近づいてくると毎日ドキドキ。で、ある日電話が。。。

「もしもし、あの〜仕事することにしましたから」
「(あぁ、よかった♪)はい、ありがとうございます!」


平屋を大きく三つに区分けして、キッチン、土間、こあがりがオープンになってます。リサイクルした木材を所々継ぐようにした柱、電球色で統一された照明、天井がなく高さがあって気持ちの良い空間です。女将いわく、ボロボロの家を手直しして店にしたとのこと。キッチンにで〜んと大きな冷蔵庫が鎮座しつつ落ち着かないようにみえるのが妙にかわいいです。(表通りに面した)看板に"首里織りと島料理"とあるように、綺麗な糸や織り機も調度品のように収まってます。こういうお店で外れることは、まずありません♪



"材料を自分で採ったり用意して…というお店をやりたかった"という女将のコースは、グルクンの南蛮漬けには繊切りの長命草がたっぷりと添えられた皿で始まりです。お供は、泡波!口にするのは十年ぶり位かなぁ(嬉し涙)。相変わらずトロリとして口当たりのよい、美味い泡盛ですねぇ。ぐび。続いては、醤油に柑橘を搾っていただく、皮の部分の食感も楽しめるヒラダイ(だったかな)の松皮作り。1時間半で12匹も取れたのだとか。付け合わせの胡瓜もとてもいけるというのは家人の弁。

続いての登場は、天ぷら。ご近所からの頂き物だという隠元は、味が濃くて香りもよく、これだけでご馳走です。でもこの脇に、夜にヘッドライトをつけて特製の道具で一匹ずつ捕ったのだという島海老がバジルとともに揚げられて、こんもり。長命草をすりつぶして粉にしたものと混ぜた塩をちょンっと付けて。これが、うまい。小ぶりの海老は殻も柔らかく、ソフトシェルクラブよりも柔らかく身もたっぷりで、むしゃむしゃむしゃ。揚げ物の次は、絹ごしのような口当たりのカボチャ。
そしていい感じで満ち足りてきたな〜っと思ったところに、どど〜んと登場したのが一人一匹分のヒラダイのマース煮定食(?)。いや、びっくり〜。なんでしょうねぇ、シンプルなマース煮ではなく淡く味が付いています。あっさりしてるけど脂も乗ってるこの魚に合います、が量がすごいゾ。サイドディッシュの島蛸とニラの炒め物が、またなんともいい味なのですよ。色黒で細めの蛸の足は、打ちたての讃岐うどんの延長線にあるような、ムニュっと歯が食い込みながら、押し返してくる噛み心地に、思わずにんまりです。あぁぁ。。。泡波をお替りしてました。いい夜だなぁ(笑)。


西表島は、上原など北から北西辺りにいろんなお店やツアーがひしめいてます。でも!それでも!大原地区にあるこのお店にいきやすい宿に泊まりたい。思わずそう考えてしまう、存在感と雰囲気。そんな楽しい時間をくれたお店でした。

  • はてるま 竹富町南風見仲29-53 電話:0980-85-5623 不定休です。