夏の海に、ウニ@古宇利島(今帰仁村、沖縄)

沖縄本島から東に突き出した、本部(もとぶ)半とウ二は何度も行っているくせに、橋で繋がったこの島には渡ったことがありませんでした。今回、なぜその島が目的地のひとつになったかといえば、ウニ。ウニであります。値段もさることながら、自分の中では"安売りで買っても満足することが無い"選手権代表みたいな存在です。味も食感も、今一つだったことが続いて…。もとい。沖縄のウニが意外にいけるらしいことは、いつものこの方のレポートでした。もう7年も前ですね〜。ところが、漁期の7〜8月はピーク・シーズン。チケットは高いは、レンタカーも高い。人もたくさんいるはずだし、台風も来そうetc.が重なって、いままで訪れたことが無い時期だったのです。


沖縄の海に入ると、割合簡単に目に付くものの一つが、ウニ。で、まず頭に浮かぶのは「パイプウニ」。ウニとは思えぬ、思わずスリスリしたくなる、尖ったところの無い太い刺の主。昔はこの刺で風鈴作ってお土産屋で売ってましたっけ。それから、鋭く尖った長〜い刺の「ガンガゼ」。素手で触っちゃいけないよ!といわれた一見危ない刺なんか無いように思える「ラッパウニ」。なんてことを沖縄の友人に教えてもらったのは、もう30年近く昔のことです。そのころ、このサンゴ礁の海に、食べられるウニがいるなんて思ってもみませんでした。


さて、この橋を渡るとその先は、目指す古宇利島。丸い形のちょっと小高いところの多い島。まずはぐるりと回って、偵察…と思ったらあっという間に一周しちゃいました。途中には「ウニあります」「うに丼」などというのぼりや看板を掲げた店が何軒も。どこに入るかを悩んだものの、選ぶべきポイントがまったく分からないので、エイヤッと入ったのが「パーラーまるみ」という、魚介類を扱っているとは思えぬ名前の店でした。



柱だけ…みたいなオープンな店内に入ると、海側にカウンター席。それじゃあと、椅子に掛けると、おやま!なんて見晴らし。ワイドな窓枠で切り取った、手前のパパイヤから、向こうの海までが見事に収まるんですね〜。海を目の前にしてるよりも、島の景色も加わった深い奥行き。なかなかに贅沢。風鈴も。きたきた。この風景の一番手前に、丼がセットされました。ちょっと分かりにくいけれど、こんな感じです。




ところで、ウニのつぶつぶした部分の触り心地、感じたことありますか?じゃ、歯で挟んでプチっとさせたことは?…はい、ぼくもどっちもありませんでした。ここでは、それができるんです。ざら、プチ、シュー(溶けるように消える)、でほんのり甘い。さらっとして後口が自然。うわー、ウニってこういうものだったんだ。。。醤油とかつけずに、あれこれ副菜やトッピングを加えたりせずに、楽しむのがいいんじゃないかって。


こうして、色の少し淡い、一見おとなしそうな沖縄のウニの体験は、しっかりと刻まれたのでありました。