ブラムリー(Bramley)で、ソース


リンゴを使ったケーキやパイは大好きなのですが、甘いだけじゃ、物足りない派。なのでアップルパイも、酸味もある紅玉じゃないとなぁ…なんて思ってるんですが、そもそも海外、特に欧州で食べるものは、甘みももちろんありますが、しっかり酸味が利いてます。日本でポピュラーな、紅玉+レモン果汁よりも、どこかバランスがいいように思います。
もしかしたら、"こういう種類のリンゴを使ってるのかもしれない"というのが、このブラムリー。イギリスで良く使われているらしい、調理用のリンゴだそうです。緑色の、ちょっと平べったい印象。でもスッキリとした香りはなかなかに力強く、あぁ、白ワインのリンゴの香りって、実はこれかもしれないなって思うような。なんでも日本ではまだまだ作っているところが限られていて、小布施が有名なようですね、これ。小布施って、奥まったところにありながらいろいろと面白くて新しい試みに取り組む人たちがいるのはなぜだろう?中心になっているのは、元々地元の方なのか、外から移った方なのか。そういう取り組みを、旧来からのあれこれで潰さないのはどんな工夫があるんだろう?、とか興味はつきないですね。


さて、そんなブラムリーを6個いただきました。興味はあるものの、どう扱ったらいいか。もらったヒントは、

 素早く煮崩れる
 酸味が強い
 ローストポークに相性抜群
 シナモンよりも、クローブをちょっと入れるといい

そういえば、フランスのリンゴの産地(…でいいのかな)、アルザスにはそういう組み合わせ方が合ったような。皮を剥いてちょっと食べてみると、確かに酸味がしっかり。酸味というと普通は"すっぱい”という感覚に繋がりやすいですが、そうじゃないんですね。そのまま、生で食べるには向いていないかな〜と思いましたが、確かに欧州のリンゴ系のパイに通じる味わいがあります。期待!
素直にその言葉に従い、煮崩してペーストというかソースを、作ってみました。ジャムよりは控えめな量の砂糖にして(…といってもジャム作ったことないんですが)重さの20%。八つに切ったブラムリーと、砂糖を鍋に入れてゆっくりと火を通していきました。


いやぁ、驚き。1時間半も経たないうちに、大部分は原形を留めない状態になっちゃいました。擂りリンゴのような。ひとなめ。おー、これはっ!けっこう万能に使えるリンゴソースの予感。お菓子系から、食事(ただし、ご飯物ではなく)から、酒のツマミまでいろんなものが浮かびます。個人的な好みでは、砂糖はもう少し控えても良かった感じ。いやいや、隣りでポークを焼く担当の気合いが俄然入ったのが、よく分かります(笑)。来週末のメインディッシュは再び豚で決まり、さらにこれをチーズと合わせ、ワインは…と、今から妄想がボワンと広がっています。。。


それにしても、改めて日本は生で食べることが好きなんだな〜と。葡萄にしてもトマトにしても、このリンゴにしても。魚のように生で食べることが好きな傾向はありますけど、野菜や果物などは、恐らく流通がそこそこ発達してから普及したことにも関係ありそうな気がします。気候も、保存にはむいていないでしょうし。まだまだ知っているつもりのものでも、「えっ!?」ということがあるんでしょうねぇ。そっちの楽しみというか、妄想も一緒にめらめら。。。